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09月24日-08号

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  1. 神奈川県議会 2021-09-24
    09月24日-08号


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    令和 3年 第三回 定例会 △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029078-諸事項-出席議員等議事日程-》         令和3年第3回神奈川県議会定例会会議録第8号〇令和3年9月24日 午前10時30分開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共104名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       松   本       清                       し き だ   博   昭                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       作   山   ゆうすけ                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     花   田   忠   雄         国際文化観光局長兼         拉致問題担当局長      香   川   智 佳 子         スポーツ局長        平   田   良   徳         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     野   田   久   義         県土整備局長        大   島   伸   生         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         山   本       仁         同  総務部長       木   原   信 一 郎   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          平   井   和   友         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和3年第3回神奈川県議会定例会議事日程第8号                            令和3年9月24日午前10時30分開議第1 定県第 123号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算(第16号)   定県第 124号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 125号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 126号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 127号議案 神奈川県地震災害対策推進条例の一部を改正する条例   定県第 128号議案 神奈川県屋外広告物条例の一部を改正する条例   定県第 129号議案 工事請負契約の締結について(県営阿久和団地公営住宅新築工事(3期-建築-第4工区)請負契約)   定県第 130号議案 指定管理者の指定について(相模湖公園及び相模湖漕艇場)   定県第 131号議案 指定管理者の指定について(秦野戸川公園及び山岳スポーツセンター)   定県第 132号議案 指定管理者の指定について(相模三川公園)   定県第 133号議案 指定管理者の指定について(山北つぶらの公園)   定県第 134号議案 神奈川県科学技術政策大綱の計画期間の変更について   定県第 135号議案 訴訟の提起について   定県第 136号議案 和解について   定県第 137号議案 和解について   定県第 138号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構定款の変更について   県報第2号 専決処分について承認を求めること(動産の取得について)第2 認第1号 令和2年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029079-質問・答弁-山口貴裕議員-一般質問①コロナ禍での県計画の見直しと変更について②県有施設の維持更新における脱炭素社会の実現に向けた取組について③子どもの「いのちを守る」取組について④県営住宅に入居しやすい環境の整備について⑤さがみロボット産業特区の今後の取組について⑥コロナ禍における社会福祉法人への監査について⑦相模川、中津川等における樹林化対策と堆積土砂の撤去について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共59名 ○議長(小島健一) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 審議を行います。  日程第1、定県第123号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算外16件及び日程第2、認第1号 令和2年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定について、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  山口貴裕君。  〔山口貴裕議員登壇〕(拍手) ◆山口貴裕議員 おはようございます。  厚木市選出の山口貴裕です。  自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問させていただきます。  知事並びに県土整備局長、教育長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、コロナ禍での県計画の見直しと変更について伺います。  本県では、県政全般の羅針盤である総合計画「かながわグランドデザイン」を補完するものとして、特定の課題に対応した個別計画や指針等を策定しております。  こうした計画等は、それぞれの政策分野における県政の方向性を示すもので、県政推進の上では非常に重要なものであります。  そうしたことから、それぞれの計画等について、対象となる期間の満了に当たっては、本来であれば、計画等に掲げた目標の達成度などの適切な評価や、今後の課題等の洗い出しを行い、次の計画期間に取り組むべきことを検討して、改定を行うべきであると考えます。  しかし、新型コロナウイルス感染症が広がる状況においては、改定作業のためのマンパワーの問題や、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響を見定める必要があることなどから、改定が困難であると推察されます。  こうした課題意識の下、私は、昨年の一般質問で、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、どのような考え方で改定作業を進めているのか質問をいたしました。  〔資料提示〕  知事からは、直ちに県民サービスの停滞を招くことのないものは、感染症の収束状況を踏まえ、見通しが立てられる段階になるなど、適切なタイミングで改定する、そして、この考え方に基づき、改定時期を迎えた個別計画のうち12件について改定時期を延期するとの御答弁でありました。  しかし、1年を経過しましたが、新型コロナウイルス感染症は収まるどころか、新たな変異株の出現などにより、残念ながら拡大傾向が続いている状況であります。  こうした状況にあっては、引き続き多くの職員を新型コロナウイルス感染症対策に充て、感染の早期収束に向けて全力を尽くすことが最優先事項であると考えますが、一方で、コロナ禍にあっても、県政推進のために先送りが許されず、改定が必要な計画もあるはずであります。その見極めは大変重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  新型コロナウイルス感染症の再拡大が繰り返され、昨年以上に厳しい状況が続いている現状にあって、改めて、どのような考え方で個別計画等の改定作業を進めていくのか、見解を伺いたいと思います。  〔資料提示〕  質問の第2は、県有施設の維持更新における脱炭素社会の実現に向けた取組について伺います。  近年、地球温暖化や気候変動などが発生し、また、令和元年の相次ぐ台風被害を受け、県では同年11月に、2050年脱炭素社会の実現を表明いたしました。SDGs先進県として、県有施設での再エネ利用100%化や太陽光発電の導入促進などに取り組んでいると承知しておりますが、県自らが公共部門の脱炭素化に積極的に取り組むことが、社会全体への普及啓発につながっていくことと考えます。  県の事務や事業における二酸化炭素排出量を施設の用途別に見ると、令和元年度において、庁舎や県立高校などの県有施設が全体の約35%を占め、最も高い割合となっております。そのため、県有施設の維持更新において、脱炭素社会を実現するための取組として、省エネや創エネをはじめとする環境対策に先導的に取り組み、そして、それを広く普及していくことが効果的であります。  2月の本会議の我が会派の代表質問において、コロナ禍における公共施設の維持更新をどのように進めていくのかとの見解を伺ったところ、知事からは、経費縮減につながる取組など様々な工夫を行い、厳しい財政状況の中でも、公共施設の役割がしっかり果たせるよう、維持更新に取り組んでいくとの御答弁でありました。  そうした中で、県有施設の維持更新において脱炭素社会の実現に向けて取り組むことは、専用の設備の追加やエネルギー消費が少ない設備とすることなどから、維持更新経費の増加につながることが懸念されます。  県は、県有施設の維持更新において、これまでもコスト縮減や財源確保に向けた取組を行っておりますが、脱炭素社会の実現に向けた取組を進めるためには、今まで以上に財源確保などに取り組んでいかなければならないと考えます。  今年度、県は公共施設等の維持更新に関する安全確保や公民連携など、七つの基本的な考え方を位置づけた神奈川県公共施設等総合管理計画を改定する予定と承知しております。  そこで、知事に伺います。  公共施設等総合管理計画に、新たな視点として、県有施設の維持更新における脱炭素社会の実現に向けた取組を位置づけて、県有施設の維持更新に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、子どもの「いのちを守る」取組について、3点伺います。  1点目は、児童福祉司の人材育成についてです。  全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は30年連続で増加しており、令和2年度は20万5,029件と、初めて20万件を超え、過去最多となりました。また、本県の児童相談所が対応した件数も、令和元年度は7,349件で過去最多となり、令和2年度も引き続き、7,000件を超える高い件数で推移しており、深刻な事態となっております。  私はこれまでも、子供の福祉については課題意識を持っており、とりわけ児童虐待の問題に取り組んできました。  先日も、地元にある厚木児童相談所を訪問し、現場の課題を伺ったところ、虐待件数はコロナ禍であっても引き続き増加しているとのこと、また、扱っている案件には、傷害事件や性的虐待など重篤な事案も含まれており、対応が複雑化、困難化していることを確認いたしました。  こうした状況に丁寧に対応していくためには、児童福祉司の人数を確保することはもとより、事案ごとに適切な対応ができる知識やスキルが必要であることを改めて痛感したところであります。  本県では、児童虐待に対応するため、児童福祉司の配置人数を増やして、児童相談所の体制強化を図ってきたことは承知しておりますが、その分、経験の浅い職員も増えており、専門性を確保することが難しくなっているのではないかと懸念しております。  一時保護や立入調査などの際には、保護者と対立することも多く、このような場面で子供の安全を最優先に対応するためには、児童福祉司が毅然とした態度で、丁寧な説明と粘り強い対応が求められます。  こうしたことからも、児童福祉司に期待される役割と責任は重く、しっかりと人材育成をしていくことが大変重要であります。また、あわせて、職員一人に負担がかかり過ぎないよう、組織としてサポートしていくことも必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  児童相談所のさらなる体制強化のため、今後どのように児童福祉司の人材育成に取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  2点目は、児童虐待の未然防止についてであります。  全国では、虐待相談件数が増え続けており、虐待により小さな命が失われる悲惨な事件も後を絶ちません。起きてしまった虐待事案に対しては、迅速かつ的確に対応することはもちろんのこと、本来は、虐待そのものを未然に防止する取組が非常に重要だと考えます。  児童虐待は様々な要因が複雑に絡み合って発生すると言われており、その予防には様々な観点からの対応が必要であります。  中でも、子供本人への取組は、有効な手だての一つであると考えます。年齢が低い子供は、虐待を受けていても、自分の置かれている状況を正しく理解することができないため、周囲に助けを求めることがないまま、深刻化してしまうことが少なくありません。  そうした状況に陥らないためには、子供自身が、受けている行為を虐待だと気づくことが大変重要であります。また、男女ともに、中高生など年齢が高い子供には、学校と連携して、性的虐待の被害などを防止するための啓発活動が重要であり、年齢に応じた取組が必要であります。  例えば、厚木児童相談所では、管内にある県立高校の生徒を対象に、虐待予防を目的とした出前講座に市町村や保健福祉事務所などと連携して取り組んでいると聞いております。  そこでは、赤ちゃんが泣き叫び続ける音声を30秒間、生徒たちに聞いてもらい、そのときに感じた気持ちをお互いに発表し合うなど、虐待予防の観点から、親になる前に知っておいてほしいことを体験しながら学べるよう、工夫を凝らして取り組んでいるとのことでありました。  こうした子供本人への取組は、虐待の被害から子供の身を守るだけでなく、将来大人になってから虐待をしないように予防する観点からも、非常に効果的であると考えます。  そこで、知事に伺います。  虐待を未然に防止するため、子供本人に対する取組を今後どのように進めていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  3点目は、通学路の合同点検を含めた安全対策についてです。  本年6月28日、千葉県八街市において、学校から歩いて下校している児童の列に酒気を帯びた運転者が運転するトラックが突っ込み、児童2人の貴い命が奪われ、3人が重体や重傷となる痛ましい事故が発生し、この悲惨な事故に、子を持つ親として大変衝撃を受けたところであります。  改めて、児童2人の貴い命が失われたことにお悔やみ申し上げるとともに、3人の方にお見舞いを申し上げます。  八街市の事故現場は、市道、そして通学路でありながら、歩道やガードレールが未設置で、十分な交通安全対策が取られておらず、本来であれば、5年前に同じ小学校区内の通学路で事故があった時点で児童・生徒の通学路の総点検を行い、あらゆる危険箇所において、全力を挙げて各部署と連携して、交通安全対策を講じていくことが必要であったと思われます。  今回、政府はこの衝撃的な事故を受け、交通安全に関する閣僚会議で、通学路の事故を防ぐための緊急対策をまとめ、全国1万9,000校の公立小学校の通学路を対象に9月中に合同点検することといたしました。  これまでも、神奈川県においては、県、市町村、学校関係機関等において、交通死亡事故の根絶を目指して、様々な交通安全対策を講じてきていますが、改めて子供の視点にも配慮しながら、これまでの合同点検等の蓄積を十分に活用し、地域の実情を踏まえた効率的、効果的な合同点検を行うことにより、通学路での危険な見落とし箇所の発見、また県民の交通安全意識を向上させるための意識啓発や指導の充実にもつながることと思います。  県内の小学校も2学期が既に始まっております。コロナ禍で分散登校を行っている小学校もあります。子供の通学の安全を守ることは重要であり、大人の義務であります。ぜひ速やかな対応を強くお願いしたいと考えます。  そこで、教育長にお伺いいたします。  子供の命を守るため、通学路の合同点検を含めた安全対策について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、県営住宅に入居しやすい環境の整備についてであります。  令和3年9月現在、本県の県営住宅は約4万5,000戸に上りますが、これらの多くは高度経済成長期に都市への人口流入による住宅不足に対応するために建設されており、昭和40年代後半のピーク時には、年間3,000戸を超える県営住宅が建設されたと承知しております。  しかし、現在、この時期に建設された住宅の老朽化が進行しております。また、住宅の多くは、階段室型と呼ばれ、エレベーターが設置されていないほか、浴室スペースはあるものの、風呂釜、浴槽といった風呂設備が設置されておりません。このため、これらの住宅への入居に当たっては、入居者は自分で25万円から30万円程度の費用を負担した上で、点火ハンドルを回して着火するバランス釜と呼ばれる古いタイプの風呂設備を設置する必要があります。  県営住宅は、基本的に、住宅にお困りの高齢者や障害のある方、さらには生活困窮者といった方々を対象とした住宅でもあります。このため、入居要件に合致しても、例えば、エレベーターがないため、階段の上り下りが心配である、あるいは風呂設備の費用負担が難しいといった理由で、入居申込をちゅうちょする方もいると考えられます。  また、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う緊急事態宣言が繰り返し発出され、収束が見通せない状況の中、景況の悪化により住まいの確保に不安を覚える方が増えており、住宅にお困りの高齢者や障害のある方、生活困窮者といった社会的に弱い立場の方々に対して、安い家賃で賃貸する県営住宅のニーズが高まっております。  県では健康団地推進計画を着実に進めておりますが、一方で、社会情勢が変化している中、老朽化や不十分な居住環境といった県営住宅の課題についてしっかりと対策を行い、社会的に弱い立場の方々が、施設面や経済面の不安がなく、安心して入居しやすくする取組が必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  社会情勢が変化している中、県営住宅に入居しやすい環境をどのように整備していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、さがみロボット産業特区の今後の取組について伺います。  さがみロボット産業特区は、平成25年に国の指定を受けた地域活性化総合特区であり、ロボットと共生する社会の実現を目指し、生活支援ロボットの実用化と普及に向けた様々な取組が行われております。  この特区の中央に位置している地元、厚木市は特区内ロボットの第1号であるリハビリ支援ロボット、パワーアシストハンドを市内の中小企業が開発し、ものづくりの中小企業が集積するだけでなく、ロボット研究や開発に取り組む大学や、ロボットの実証実験が可能な神奈川県総合リハビリテーションセンターが立地していることから、特区の取組を進めていく上で重要な地域だと考えております。  特区計画の計画期間は1期5年であり、途中、ロボットの対象分野を介護、医療などの3分野から、インフラ・建設や交通・流通などを加えた8分野まで広げ、現在、令和4年度末までの第2期計画期間に入っております。  これまでもロボットの開発から商品化、そして普及促進に至るまで着実に成果を上げているところであります。  一方、ロボットは、この特区の取組が始まった8年前と比べると、その役割は大きく変わっております。従来、生活支援ロボットは人々の生活支援を中心に、少子・高齢化を背景とした人手不足対策や、自動化によるコストカットなどが主な活用目的として挙げられておりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、人の密集や接触を回避するためのツールとして再認識されております。  さらに、近年は異常気象が原因となって引き起こされた様々な災害現場で、ドローンや無人の重機が活用されている場面を目にすることも増えてきております。  全国に約40ある地域活性化総合特区のうち、人々の生活に不可欠な生活支援ロボットの実用化及び普及促進に取り組んでいるのは、さがみロボット産業特区だけであり、本特区の取組は今後も重要なものと考えます。  そこで、知事に伺います。  これまでの成果を踏まえ、特区第2期計画の残り1年6か月において、生活支援ロボットの実用化、普及促進にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、コロナ禍における社会福祉法人への監査について伺います。  社会福祉法人は、高齢者や障害のある方、児童などの生活の場である特別養護老人ホームや障害者支援施設、児童養護施設などの運営を行うことができる法人であります。  こうした社会福祉法人に対しては、社会福祉法で、国からの法定受託事務として、都道府県などが業務または財産の状況に関する指導監査を行うこととされております。  今般のコロナ禍にあって、社会福祉法人は、感染者やクラスターを出さないよう、利用者や職員の感染防止策を徹底しながら、エッセンシャルワーカーとしてサービスを継続して提供するために努力されております。  先日、私は、ある高齢者施設を所有する社会福祉法人から、日々、施設で働く人、総動員でコロナ対応に追われており、理事会の開催など、法人としての業務にも支障を来している中で、指導監査の準備は大きな負担であると伺いました。  県が指導監査を行うことは、社会福祉法人の安定的な運営を確保するために重要な取組であることや、社会福祉法人としても、指導監査の対応に真摯に取り組まれていることは承知しておりますが、法人が感染者を出さないため、日々コロナ対応に忙殺されている中で指導監査を受けるとなれば、法人の負担はますます増大し、事業遂行に影響を及ぼすことになります。  そのような中、国は本年2月に、都道府県宛てに、県が行う指導監査について、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況を踏まえ、延期を含めて判断してよいと示したと承知しております。  そのため、県は、新型コロナウイルス感染症が収束するまで指導監査を延期するなど、また毎年提出している現況報告書をもって監査とするなど、緊急事態の中、柔軟に対応していくことが必要ではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  県は、社会福祉法人に対する指導監査について、このコロナ禍の中で、どのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、相模川、中津川等における樹林化対策と堆積土砂の撤去について伺います。  私の地元、厚木市を流れる相模川水系の豊かな資源は、昔から沿岸の住民はもとより神奈川県の人々の生活に深く関わっており、その水は飲料水や工業用水に、河原の砂利は様々な建設資材に利用されてきております。  相模川は、近代化・都市化の中で神奈川県全土の発展を担ってきており、言わば神奈川の母なる川と言っても過言ではありません。  その反面、ダム等の建設や戦後急速に拡大した砂利採取により、河川環境は大きく変化いたしました。以前は、美しい礫の河原をつくっておりましたが、相模川やその支川の中津川では、礫石が広がる河原は衰退し、また、河原に土砂が堆積し、樹木が繁茂するなど、樹林化が進み、不法投棄や治安悪化のおそれも叫ばれております。  河川内の樹林化は、景観や生態系に影響を与えるばかりでなく、河川を流下する洪水を阻害するなど、治水上の支障となるおそれもあります。  一昨年の令和元年東日本台風では、相模川の城山ダムで緊急放流が実施され、河川沿いの住民が命の危険に脅かされたことは記憶に新しいところであります。地元では、河川の氾濫が原因となる樹林化対策等にしっかりと取り組んでほしいとの声がますます高まっている状況であります。  県では、近年、相模川や中津川において、樹林化対策に取り組んでいることは承知しておりますが、相模川や中津川では、繁殖力が高い外来種のハリエンジュが多く繁茂しており、伐採すべき樹木がいまだに多い状況となっております。  また、樹木伐採を行っても、しばらくすると再樹林化してしまうことが大変懸念されており、伐採の際に、再樹林化を抑制しながら対策を進めていくことが重要ではないかと考えます。  さらに、相模川、中津川の河川敷の一部や小鮎川などの支川では、出水の影響により顕著な土砂堆積が見られる箇所もあり、住民の命と生活を守るためにも、治水対策として、樹林化対策のみならず、堆積土砂の撤去に、より一層力を入れていく必要があると考えます。  そこで、県土整備局長に伺います。  相模川、中津川等における樹林化対策と堆積土砂の撤去について、今後どのように取り組んでいくのか、これまでの取組状況と併せて見解を伺います。  以上で、1回目の質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 山口議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、コロナ禍での県計画の見直しと変更についてお尋ねがありました。  県では、県政を総合的、効果的に推進するため、総合計画である「かながわグランドデザイン」を補完する個別計画や指針を策定し、より柔軟で重点的な施策展開に努めています。  こうした計画等については、本来であれば、計画期間中の施策・事業の実施状況や効果等を検証し、改善に向けた方向性を議論した上で、改定作業を進めていくところです。  しかし、昨年度は新型コロナウイルス感染症への対応に注力するため、全庁コロナ・シフトをしき、県民サービスに直ちに影響を及ぼすものを除いて改定を延期しました。  現在もコロナ禍は収束しておらず、先行き不透明な状況が続いていることから、基本的には同様の対応となりますが、そうした中でも改定を行わないと県民生活等に大きなマイナス影響が生じるものや、市町村行政への影響が大きいものなどについては、予定どおり改定等を行うこととしました。  そうした方針の下、個々の計画等について、関係省庁や市町村とも確認、調整の上、改定の是非を精査し、今年度は改定時期を迎える58件の計画等のうち、31件の改定等を行うこととしました。  今後も、新型コロナウイルス感染症への対応を最優先としつつ、各政策分野における課題に柔軟に対応していけるよう、それぞれの計画等について適切な時期に改定等を行ってまいります。  次に、県有施設の維持更新における脱炭素社会の実現に向けた取組についてお尋ねがありました。  県はこれまで、施設の維持更新に当たり、環境負荷を軽減させるため、建て替えの際には省エネ性能に優れた設備機器を導入したり、既存施設の照明をLEDに交換するなどの取組を進めてきました。  県が目指す脱炭素社会の実現のためには、こうした従来からの取組に加え、県有施設から二酸化炭素を排出しないよう、さらなる取組の強化が必要です。  そこで、今後、県有施設の建て替えに当たっては、日差しを遮蔽して熱損失を小さくしながら、冷暖房等のエネルギー消費を減らす省エネと、太陽光発電による創エネを組み合わせ、施設全体で脱炭素化するZEBの積極的な導入を進めます。  また、既存施設においても、再生エネルギー100%電力の調達や、太陽光発電設備の設置の拡大などの取組を進めていきます。  一方、こうした取組は経費の増加が見込まれるため、厳しい財政状況の中、財源対策にも取り組む必要があります。  そこで、県有施設の維持更新に当たっては、民間資金や国庫補助金の活用のほか、行政財産の貸付けによる収益確保など、様々な財源対策を進めていきます。  今年度改定する神奈川県公共施設等総合管理計画の中に、県有施設における脱炭素の取組とそれに伴う財源確保の取組を新たに位置づけ、しっかりと取り組んでまいります。  次に、子どもの「いのちを守る」取組についてお尋ねがありました。  まず、児童福祉司の人材育成についてです。  複雑困難化し、対応件数も年々増加している児童虐待に最前線で対応する児童相談所児童福祉司の育成は重要です。  県では、急増する虐待相談に対応するため、平成27年度に70人であった児童福祉司を5年後の令和2年度には139人に倍増させました。この確保した経験の浅い児童福祉司が早期に独り立ちできるよう、任用前や新任時の研修日数を増やすなど、研修の充実を図りました。  また、外国籍県民への対応など、今日的なテーマの研修も行い、現場対応力の強化も進めています。  虐待対応には、一人一人の資質向上を図るとともに、チームで対応することが重要です。そのため、児童福祉司のリーダーであるスーパーバイザーの指導力向上を図る研修を充実させ、後進への指導体制を強化しました。  また、平成26年から警察官を中央児童相談所に配置し、平成29年には各所に弁護士を配置するなど、多職種による対応を充実させ、平成30年には県警察と児童虐待の全ての事案の共有を開始しました。  こうした組織的対応力の強化は、結果として、児童福祉司の精神的な負担軽減にもつながっています。  減少しない児童虐待への対応には、今後も継続的な児童福祉司の育成が必要です。このため、県では、例えば、子供の一時保護に納得できず、児童相談所に直接抗議に来る保護者への対応を想定したリアリティーのある実践研修の充実を図ります。  また、児童福祉司を児童養護施設などに派遣し、子供と共に生活して、子供への理解を深める研修も行います。さらに、大学とも連携して、質の高い人材育成に向けた研修プログラムの検討を行っていきます。  子供を虐待から守るため、児童福祉司の人材育成に、今後とも、しっかりと取り組んでまいります。  次に、児童虐待の未然防止についてです。  児童虐待を未然に防ぐためには、周囲の大人が児童虐待を早期に発見するとともに、何よりも子供本人が虐待と認識することが重要です。  県ではこれまで、子供本人に対し、その成長段階に応じて様々な取組を行ってきました。  まず、保育園児などには、保護者からたたかれることはよくないことだという内容の紙芝居を作成し、保育所や幼稚園などを通じて子供たちに伝えています。  また、中高生に対しては、性的虐待を防止するため、啓発用ステッカーを作成し、中学校で掲示したほか、市町村や保健福祉事務所とともに、県立高校で出前講座を行ってきました。  さらに、子供たちが気軽に相談できるよう、電話相談に加え、SNSを活用した相談窓口を設置し、相談体制の充実にも取り組んできました。  しかしながら、保護者から受ける行為は、しつけなどの名目で行われることが多く、子供本人が虐待を受けていると認識できないことや、そもそもいかなる世代の子供たちも保護者に対して抵抗しづらいといった課題もあります。そのため、子供本人が虐待に気づいて、行動するためのさらなる周知が必要です。  今後は、民間企業と連携して、キャラクターを使用した「子どもの気づき啓発カード」を作成し、小学生などに配布するほか、啓発ポスターも作成し、コンビニエンスストアや学習塾で掲示するなど、周知・啓発を行っていきます。  また、高校生には、コロナ禍を踏まえ、ウェブ会議システムの活用など、実施方法の工夫を図りながら、出前講座を再開します。  さらに、中高生にも参加いただいて、啓発キャンペーンをコロナ収束後に実施することを検討していきます。  県は今後も、関係機関と連携して、児童虐待を未然に防ぎ、子供たちが安心して暮らすことができるよう、着実に取り組んでまいります。  次に、県営住宅に入居しやすい環境の整備についてお尋ねがありました。  県営住宅は、高度経済成長期に大量に供給してきたため、現在では多くの住宅で老朽化が進行しており、さらに風呂設備やエレベーターがないなど、居住環境の改善が必要となっている住宅もあります。  これまで県では、おおむね建設後50年を経過した住宅の建て替えを進めるとともに、それ以外の住宅では、エレベーターを設置するなど、改修工事を進めてきました。  しかしながら、建て替え時期を迎える住宅が今後、急激に増加することから、平成31年3月に神奈川県県営住宅健康団地推進計画を策定し、集中的に建て替えを進め、居住環境を抜本的に改善することにしました。  具体的には、年に100戸程度だった建て替えを、計画期間の10年間で約7,000戸の建て替えに着手することとし、大幅にスピードを速めていきます。  また、PFIの導入により、民間の資金やノウハウを活用し、財政負担の軽減を図りながら、効果的、効率的に建て替えを進めていきます。  一方で、建て替えには一定の期間を要するため、当面、設備が未改修の住宅についても入居者募集を行うこととなります。こうした住宅では、例えば風呂設備を御自分で設置していただくといった入居時の経済的負担から、入居をためらう方もいると承知しています。  そこで、入居者募集の際に、入居時に必要となる費用をまとめてお示しするとともに、敷金や家賃の減免、社会福祉協議会の貸付けといった制度も周知します。これにより、入居を検討される方が資金の見通しを立てやすくし、経済的な不安感の解消に努めます。  県はこうした取組により、住宅セーフティーネットの中核として、利用者目線に立ち、県営住宅に入居しやすい環境の整備を進めてまいります。  次に、さがみロボット産業特区の今後の取組についてお尋ねがありました。  これまで、さがみロボット産業特区では、生活支援ロボットによる県民の安心・安全の実現を目標に、徹底的な出口戦略の下、ロボットの実用化と普及に取り組んできました。  その結果、リハビリを支援するロボットなど、商品化に至った生活支援ロボットは37件に及んでおり、こうしたロボットを導入した介護施設などは250か所を超えています。  こうした中、コロナ禍においては、ロボットの持つ未接触、遠隔操作といった価値が改めて認識されており、その活躍の場を広げていく大きな機会です。  特に現在、過重な負担がかかっている医療施設においては、感染防止対策や省力化を進めていく上で、ロボットの活用が大変有効です。  そこで、今年度、医療施設への積極的なロボット活用を目指し、湘南鎌倉総合病院において、看護業務支援ロボットやリネン類の自動搬送ロボットなど、9種類の実装事業を始めています。  今後、この成果を医療施設におけるロボット導入の手順書として取りまとめ、全国の医療施設に広く周知し、ロボットの活用を促すことで新たな需要を創出し、県内企業がロボット産業に参入できる機会を増やしていきます。  こうした取組により、第2期計画の残り1年6か月においても、生活支援ロボットの実用化とさらなる普及を図り、県内産業の成長につなげてまいります。  最後に、コロナ禍における社会福祉法人への監査についてお尋ねがありました。  県が行う指導監査は、社会福祉法人が適切に運営され、高齢者や障害者、児童などが安心して暮らしていくために大変重要であり、法令等にのっとり、しっかり行うことが必要です。  この指導監査は、139の社会福祉法人を対象に、国の要綱に基づいて、各法人に対して原則3年に1回実施しています。  実施に当たっては、法人の本部がある施設などを県職員が訪問することから、コロナ禍では外部からウイルスを持ち込まないよう、細心の注意が必要です。  国は昨年3月、指導監査について、感染拡大抑制の観点から、法人の状況を踏まえ、延期等の対応を検討するよう通知しました。  さらに、コロナ禍が長期化する中、本年2月には、やむを得ず、指導監査の実施周期が3年を超えることも妨げないことも示されました。  これを受け、県は、昨年度の指導監査から感染状況に配慮し、確認事項をあらかじめ法人に書面で記入してもらうなど、現地での監査が短時間で効率的に行えるよう工夫をしながら実施しています。  本年度は、夏のコロナ感染者の爆発的増加を受け、9月までの上半期に実施を予定していた20法人のうちの6割に当たる12法人を、10月以降の下半期に延期しました。また、下半期に実施予定の指導監査については、今後のコロナ感染の状況を踏まえながら、一部の法人を翌年度以降に延期することも含め、実施時期や方法を検討していきます。  県は、社会福祉法人の適正運営を基本としつつ、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえ、適切な指導監査に努めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  相模川、中津川等における樹林化対策と堆積土砂の撤去についてお尋ねがありました。  河川敷に繁茂する樹木や堆積した土砂は、洪水時に水の流れを阻害し、治水上の支障となることから、樹林化対策や堆積土砂の撤去は大変重要な取組です。  このため、県では、こうした取組を水防災戦略において、緊急に実施すべきハード対策と位置づけ、重点的に実施しています。  相模川や中津川、小鮎川などについては、平成30年度補正予算から措置された国の3か年緊急対策などの財源も積極的に活用し、令和2年度までに厚木市などで約23ヘクタールの樹木伐採を行うとともに、約8万6,000立方メートルの土砂の撤去を行いました。  しかし、相模川などの河川敷は広大で、これらの対策が進められていない箇所が多く残っていることに加え、中津川の下流部など一部の箇所では、繁殖力が強い外来植物の再繁茂が確認されています。  そこで、今後の取組ですが、引き続き樹木伐採を精力的に行うとともに、再繁茂については、土をふるいにかけて、丁寧に根を取り除く方法を試みている河川もありますので、こうした取組を参考に効果的な方法を検討します。  また、堆積土砂の撤去については、近年、空中から水面下の地形を効率的に把握できるグリーンレーザーを用いた測量技術も普及してきていることから、こうした新しい技術も活用し、河川敷の堆積状況を把握し、効果的に対策を進めていきます。  こうした取組により、県は引き続き、激甚化、頻発化する豪雨災害に備えて、相模川や中津川などにおける樹林化対策と堆積土砂の撤去にしっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  通学路の合同点検を含めた安全対策についてです。  通学路の安全対策については、平成25年の国の通知に基づき、各市町村教育委員会において地元警察や道路管理者などと共に協議会を設置し、合同点検の実施時期や方法といった基本的方針を策定するなど、取組が進められてきました。  こうした中、議員お話しの八街市で起きた事故を受け、県教育委員会では、7月1日に各市町村教育委員会に対し、登下校時の安全確保に努めるよう通知しました。  その後、国から、7月9日に、今回の事故に鑑み、通学路の合同点検等の実施についての通知があり、市町村教育委員会への対応を依頼しています。  今後、9月末までに、市町村教育委員会は合同点検及び安全対策が必要な箇所の抽出を行い、地域の状況にもよりますが、10月末をめどに対策案を作成する予定です。  現在、こうした合同点検のさなかではありますが、子供たちは毎日通学しており、把握できた危険箇所から速やかに可能な対策を行う必要があります。  そのため、県教育委員会では、各市町村教育委員会に、例えば通学路の経路の変更などの、すぐに着手できる対策等の実施を改めて促していきます。  あわせて、県土整備局、くらし安全防災局、県警本部と共に設置している神奈川県通学路安全対策連絡会議において、市町村の合同点検の結果を把握し、今後の対応について確認するなど、引き続き通学路の安全対策に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔山口貴裕議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山口貴裕君。  〔山口貴裕議員登壇〕 ◆山口貴裕議員 知事並びに県土整備局長、教育長、御答弁ありがとうございました。  それでは、2点再質問をさせていただきたいと思います。  まず、児童福祉司の人材育成について、再質問いたします。  経験の浅い児童福祉司に対し、様々な研修を行っていることは承知をいたしました。現状、そのほかに県OBも採用し、人材育成に当たっていると承知はしておりますけれども、そこで、知事に伺いたいと思います。  指導教育する職員として、OBの職員や外部の人材を活用することは大変有効であると思います。今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。  もう1点は、県営住宅に入居しやすい環境の整備について再質問いたします。  県営住宅に当選された方は、バスや電車を利用して、横浜市内で開催される入居説明会に出向き、入居の手続を行うわけでありますが、県営住宅に入居を希望する高齢者のほか、障害のある方もいるわけでございます。また、県内各地にお住まいの方々の利便性を考えると、横浜市内だけの開催については、県民サービスを考えると、一考の余地があるのではないかと思います。  そこで、知事に伺います。  入居時の負担軽減の観点から、入居説明会の開催について、今後どのように考えていくのか、見解を伺いたいと思います。  再質問は以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  まずは、児童福祉司の人材育成の件でありますけれども、経験ある人材を確保することは大変有効であることから、県では、外部の経験者を対象とした採用試験を実施しております。  また、県OBにつきましても、例えば、児童相談所の所長に教育担当のスタッフ職を用意して、退職後も残ってもらい、後進の指導を担っていただいております。  引き続き、外部の人材でありますとか、県OB、これを積極的に活用して、児童福祉司の人材育成を進めてまいりたいと考えております。  次に、県営住宅の入居説明会の場所の件でありますが、県営住宅に当選された方への入居説明会は、現在、横浜市内でのみ実施しております。入居を希望される方には、御高齢の方なども多く、移動に負担を感じる方がいらっしゃるのも事実であります。  そこで、入居希望者の利便性を考慮し、入居説明会は来年度から横浜市外の地域においても開催してまいります。  先ほどの答弁で修正をさせていただきます。  県OBについても、例えば児童相談所の所長に教育担当のスタッフ職を用意して、退職後も残ってもらい、後進の指導を担っていただいています。  先ほど児童相談所のところを児童保健所と申し上げました。訂正させていただきます。〔訂正済〕  答弁は以上です。  〔山口貴裕議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山口貴裕君。  〔山口貴裕議員登壇〕 ◆山口貴裕議員 それでは、意見、要望を申し上げさせていただきたいと思います。  まず、児童福祉司の人材育成についてであります。  今も知事から御答弁を頂きました。  児童相談所は子供を守る最後のとりでであります。子供たちの命を預かる児童相談所の使命は非常に大きく、一つ一つの虐待相談に的確に対応できるためにも、児童相談所職員の専門性の確保は大変重要であります。  また、若い世代の人材育成を行うには、スーパーバイザーなど経験豊富な専門人材を確保することが大変有効であると考えております。  県の専門人材が他県に流出しないようにするとともに、外部から経験ある専門人材を確保できるよう、魅力ある職場づくりと併せて、給与や手当、そしてポストなど待遇面の向上にもしっかり取り組んでいくことを強く要望させていただきたいと思います。  次に、県営住宅に入居しやすい環境整備についてであります。  入居手続をするに当たり、中には高齢者とか、障害のある方がいられるわけであります。県内各地から横浜まで行くことなく、出先の行政センター等で手続ができるのではないかと考えておりますので、そういった出先の行政センター、またあらゆる施設で取り組んでいただくことを強く要望いたします。  現在、コロナ禍で社会が急激に変化し、生活に困窮し、県営住宅を希望する方が増加しております。入居する方々の経済状況を考えると、入居時に生活に必要な風呂釜、給湯器等を設置するに当たり、かなりの負担となり、知り合いから借金をして風呂釜等を用意したという相談もありました。  また、退去するときも撤去費用等が負担となり、現状、不安を抱いているところでもございます。  健康団地推進計画を進める必要はありますが、一方で、社会的に弱い立場の方々の救済をするなど、また、支度金など様々な支援メニューをしっかりと提供して、取り組んでいただくことを要望させていただきたいと思います。  次に、児童虐待の未然防止についてであります。  厚木児童相談所では、管内にある県立高校の男女の生徒を対象に、虐待予防を目的とした出前講座を行っております。講座では、特に命の大切さ、揺さぶられっ子症候群予防、性虐待、性感染症予防の知識に関する普及啓発を行っております。  ただ、現状、1年に2校から3校の開催で、1学年のみの対象となっております。ぜひ全県下でこの取組を行っていただき、児童虐待ゼロを神奈川から、を達成するために教育局としっかり連携して、多くの高校、そして幅広い学年を対象に啓発できるよう要望させていただきたいと思います。  次に、通学路の合同点検を含めた安全対策についてであります。  総点検とともに危険箇所を整備していくには、県土整備局、くらし安全防災局、そして県警本部との連携も大変必要であります。ぜひ人優先の交通安全思想の下に、学校関係機関・団体はもとより、家庭、地域、職場等とも一体となり、神奈川県独自のスケジュールを立て、一刻も早い通学路合同点検の展開を県が先頭に立ち、子供の命を守るため、安全・安心な通学路確立を強く求めたいと思います。  また、先般、厚木市内の小学校の校外委員さんからも、通学路が県道であるため、私に様々な危険箇所の整備要望も頂きました。現場は一刻も早い整備を願っております。できるところからやっていく、その気概で全国に誇れる通学路の安全対策に努めていただくことを強く要望させていただきたいと思います。  続いて、さがみロボット産業特区の今後の取組についてであります。  特区内でロボット開発、研究等に取り組んでいる民間企業等に公的資金を投入することにより、さがみロボット産業特区のさらなる活性化も期待できると思います。  また、厚木市では今年3月に、令和8年までの6年間を基本計画の期間とする第3次産業マスタープランを策定しており、その中の基本政策の一つに、ロボット産業の推進を位置づけております。  今後、厚木市の産業マスタープランと県の特区事業をしっかりと連携させ、地域を振興していくためにも、令和5年度からとなる特区の第3期計画を前向きに検討していただきたいと思いますし、それが神奈川県の経済のエンジンを回す重要施策になると思います。ぜひ、第3期計画においても取り組んでいただくことを強く要望させていただきます。  以上、申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。                  午前11時30分 休憩        ───────────── ◇ ─────────────
    △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029080-質問・答弁-青山圭一議員-一般質問①医療提供体制について②県立高校に医学コースを設置することについて③死因究明について④高齢者施設における安全対策について⑤土砂災害警戒区域に生産緑地がある場合の情報共有について⑥政令市に対する市街地再開発等への支援について⑦県立の図書館に電子図書館サービスを導入することについて》                   午後1時   再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共59名 ○副議長(佐々木正行) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(佐々木正行) 質問を続行いたします。  青山圭一君。  〔青山圭一議員登壇〕(拍手) ◆青山圭一議員 立憲民主党・民権クラブ県議団の青山圭一です。  議長のお許しを頂きましたので、私は、立憲民主党・民権クラブ県議団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、医療提供体制について、2点伺います。  初めに、医師の働き方改革について伺います。  新型コロナウイルス感染症が拡大する以前の2019年に、働き方改革関連法が改正され、2024年から医師にも残業時間の上限規制が適用されることになります。  〔資料提示〕  2019年度の調査によると、20代から30代に当たる医師の1割以上の方の時間外労働時間は、年間1,860時間以上に上っていました。  海外に比べると、日本では、医師だけに限定された業務が多く、この状況を改善し、医師の働き方改革を進めるために、本年10月から、救急救命士や診療放射線技師などの業務範囲が拡大されます。医師や看護師に限られていた業務を多職種で補完し、医師が治療に専念できるようにすることは大変望ましいことです。  コロナ禍となり、特に新型コロナウイルス感染症に対応されている医師には、荷重な負担がかかっていることを考えても、限られたマンパワーを最大限生かす仕組が必要です。  そこで、本県における医師の労働環境の実情をどう把握し、医師の働き方改革について、今後どのように対応していくのか、知事に所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、医師の育成に係る機会均等と医師確保について伺います。  日本で医師になるために、国公立大医学部を除く私大医学部へ進学するとなると、授業料の支払いが極めて高額となり、それを考えると、一部の人にしか医師への門戸が開かれていない現実に直面します。志のある多くの人に医学部への入学の機会が確保されることは、日本の医療にとって必要であると考えます。  〔資料提示〕  本県においては、医師数、すなわち医療施設従事医師数は増加してはいるものの、平成30年度末時点での人口10万人当たりの数を見ると、全国平均医師数が246.7人であるのに対し、本県は212.4人で全国39位となっています。  診療科別では、外科の全国平均が人口10万人当たり22人であるのに対し、本県は15.5人で、全国順位は45位です。こうした数字を見ても明らかなように、本県における医師不足は深刻です。  この本県の医師不足の状況を改善すべく、私はこれまで関係部署に働きかけを行ってまいりました。平成30年には首藤副知事に対し、医師の育成に対する質問を行い、次のような答弁を頂きました。  本県の人口10万人当たりの医師数は全国平均を下回る中、医療需要は急速な高齢化によって大幅な増加が見込まれており、医師の確保、特に次世代を担う若い医師の確保は大変重要である。若い医師の育成と確保に向けては、県内で医師を志す人が家庭の経済状況など様々な条件にかかわらず、医師になることができる環境をつくっていくことが必要であるとお答えを頂きました。  医師育成に係る各種施策を本県で展開していることは、もちろん承知しておりますが、より充実した支援が必要だと考えています。  従来の医師育成とは違ったアプローチもあると思い、他県等が先行して導入している県立高校へ医学コースを設置する提案も教育委員会に対し、既に行ってきています。  コロナ禍である現在の社会状況を考えても、医療従事者の確保、特に医師の確保は大変重要です。  そこで、本県における深刻な医師不足に際し、医師の育成に係る機会均等と医師確保に向けた今後の取組について、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、県立高校に医学コースを設置することについて伺います。  この件は、2018年と2020年の本会議におきまして、地元における医師不足の解消と将来医師として社会貢献できる人材育成のために、県立高校に医学コースを設置してはどうかと提案をさせていただきました。  当時、県立高校改革担当局長からは、医師という職業への理解や使命感の育成を図ることで、医師を目指す高校生を後押ししていく。その上で、医師確保という点で、県立高校において、どういった貢献ができるのか、生徒のニーズがどの程度あるのか、今後の県立高校改革の中で、他県の状況もお聞きしながら研究していくと答弁を頂きました。  2020年には、教育長から、県立高校改革については、今後、これまでの改革全体の取組を検証するほか、社会情勢の変化に対応した新たな教育課題なども検討し、令和4年度にはⅢ期計画を策定していく予定であり、県立高校への医学コース設置の是非についても、そうした中で検討していく課題の一つとして受け止めているとお答えを頂きました。  提案させていただいてから3年が経過しようとしております。先ほどの質問でも申し上げましたように、最新のデータである2018年度末における県内の人口10万人当たりの医師の数は212.4人で、全国平均を下回っており、全国で39位という結果です。  2016年度時点の本県の医師数が205.4人であったことを考えますと、当時と比べ、僅かながら増加したものの、39位という順位は変わらず、依然、医師不足の厳しい状況にあることは変わりません。県内における医師の確保は喫緊の課題と言えます。  さらに、昨年からの新型コロナウイルス感染症の影響により、世の中が未曽有のコロナ禍となり、これまで以上に医療従事者の重要性を県民一人一人が再認識することとなりました。  医師という職業への理解や使命感の育成を図ることを念頭に、県立高校においても、医療界への人材育成を進めていただきたいと改めて強く考えている次第です。  本県の県立高校のうち、学力向上進学重点校及びエントリー校から2019年度の卒業生で医学部医学科に進学された方は26名いました。  〔資料提示〕  2020年の卒業生からは31名が進学され、医学部医学科への進学者は増加傾向にあり、医学コース設置へのニーズはあると考えます。  県立高校改革実施計画(Ⅲ期)の策定を来年度に控え、引き続き県内で医師を目指す方が増え、将来、地域医療に貢献していただくためにも、育成と確保に向けた県立高校における医学コースの設置を、ぜひ実現していただきたいと考えております。  ここで他県等における医学コース等の設置状況をお話しさせていただくと、例えば、現在、東京都立戸山高校においては、チーム・メディカルといって、医学部進学を目指す取組が行われています。  また、茨城県においては、中等教育学校を含む五つの学校におきまして、医学コースが設置されています。この茨城県も人口10万人当たりの医師数が極めて低いこともあり、県知事が重要政策の一つとして、医学コース設置を力強く後押ししたとも聞いています。  さらに、福島県では、令和4年度から県立高校に医学コースを設置することが決まっています。  医学コース設置に関しては、県医療部門や医療関係団体との連携も必要と考えます。関係機関と連携し、県立高校改革実施計画(Ⅲ期)の中で、医学コースを設置すべきと考えます。  そこで、県立高校への医学コース設置に係る、これまでの検討状況と今後の取組について、教育長に伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、死因究明について、2点伺います。  初めに、死因究明について伺います。  死因究明及び身元確認に関する施策については、犯罪死の見逃しの問題等を背景に、平成24年に成立した死因究明等の推進に関する法律に基づき、平成26年に死因究明等推進計画が閣議決定されました。  〔資料提示〕  その後、令和元年6月に死因究明等推進基本法が成立し、令和2年4月1日に施行されました。  この基本法では、公衆衛生の向上を目的とし、厚生労働省に死因究明等推進本部を置き、同本部が中心となって死因究明等に関する施策を推進することを定めています。  私は、平成25年、30年の本会議で、死因究明について質問を行いました。平成30年の質問に対し、健康医療局長より、次のように答弁を頂きました。  平成29年に本県の警察が扱った1万2,000を超える死体のうち、約4,000体について承諾解剖を行った。県として、改めて実態の把握が必要である。また、県では、死因究明体制を関係者が一体となって協議する場として、年度内に神奈川県死因究明等推進協議会を設置する。今後も関係機関と連携し、承諾解剖を含む死因究明体制の整備に取り組んでいく。さらに、調査の実施や手法については、今後設置する死因究明等推進協議会で意見を頂き、その中で検討していきたいと考えているという内容でした。  これを踏まえ、その後、これまでに死因究明について県としてどのような議論を行い、課題をどのように捉え、どう対応していくのか、承諾解剖の実態も踏まえて伺います。あわせて、今後予見されている多死社会を迎えるに当たり、Ai、すなわち、オートプシー・イメージングと言いますが、死亡時画像診断をより活用すべきと考えますので、その実績と今後の活用についても見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、死因・身元調査法の運用状況について伺います。  近年の超高齢化社会においては、身寄りがなく、人とのつながりが希薄になる中、孤独死となって発見される場合が多くあります。  昨今のコロナ禍は、この状況に、さらに追い打ちをかけているのではないかと危惧しているところです。発見に至るまでの時間が長くかかるときもあり、そのため、腐敗等による死体の損傷が激しく、身元の特定が困難な場合や死因が明らかでない場合も増加していると聞いています。  〔資料提示〕  全国的に見ても、県警察で取り扱う死体の数は、東京、大阪に次いで、全国で3番目に多いと認識しています。死因を明らかにするために、解剖が必要な場合も多く、特に神奈川県では、多くの解剖が実施されています。  私は、死因・身元調査法が施行された平成25年と、同法が施行されてから5年が経過した平成30年に、死因究明に関する質問をさせていただきました。  県警察では、今日に至るまで、犯罪の嫌疑があるとして司法解剖される死体以外の死体について、警察署長の権限で死因を明らかにする必要がある場合には解剖を行っていることや、検視官をはじめ、死体を取り扱う現場警察官への教養の充実、各医師等との連携等、犯罪死の見逃し防止や死因の究明について、適切な措置を取り、活動されていることは承知しております。  そこで、法の施行後、8年が経過し、昨今の署長権限解剖の現状はどのようになっているのか、また、今後どのように推進していくのか、警察本部長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、高齢者施設における安全対策について伺います。  2020年7月、九州地方を中心に発生した豪雨は、幅広い地域において甚大な被害を及ぼしました。  〔資料提示〕  熊本県球磨村にある特別養護老人ホームにおいても、多くの方が犠牲に遭われました。  この災害を受け、国は2021年度末に、市町村の地域防災計画に定められた高齢者等の要配慮者が利用する施設について、避難確保計画を作成することを目標としています。  2021年3月末における水防法に基づく対象要配慮者利用施設は、全国で9万6,508施設あり、そのうち計画を作成している施設は6万3,776施設で、全体の66.1%しか計画どおりに進んでいません。  昨年もこの問題について取り上げ、県からの答弁は次のとおりでした。  市町村の地域防災計画に位置づけられている高齢者施設は、平成31年3月時点で1,217施設あり、そのうち避難確保計画を作成している施設は656施設、比率にして約54%になる。水害や土砂災害を想定した避難訓練を実施している施設は314施設で、比率にして約26%にとどまっているというお答えでした。  また、県は2020年12月までに、県所管域における計画未作成の施設に対し、計画の作成や避難訓練の実施時期を市町村と共有するとともに、政令都市にも情報提供し、計画作成に向け取り組むとしていました。  最近でも、各地で長雨による被害が相次いで発生し、静岡県熱海市では大規模な土石流で多くの被害が発生しており、災害対策は急務です。  そこで、直近の政令・中核市も含めた県内における市町村の地域防災計画に位置づけられている高齢者施設の避難確保計画や避難訓練の状況について伺います。また、県所管域の状況と今後の取組について、知事に所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、土砂災害警戒区域に生産緑地がある場合の情報共有について伺います。  生産緑地とは、良好な都市環境の形成を図るために、市街化区域内において農地の緑地機能を生かし、計画的に農地を保全していく土地等のことで、当該市が指定をします。  生産緑地の指定を受けると、固定資産税や相続税等が優遇されるというメリットがあります。しかし、その一方で、生産緑地内では建物の建設や売却などの行為が規制されるとともに、一定期間、農業を続けることが義務づけられます。  また、生産緑地に何らかの手を加えることで、生産緑地と認められなくなれば、猶予されていた相続税を納付することにもなります。  〔資料提示〕  例えば、県が指定した土砂災害警戒区域に生産緑地がある場合には、安全対策を講じることにより、生産緑地に影響が及び、納税の優遇制度が解除され、猶予されていた税金を支払うケースも出てきます。  生産緑地を土砂災害警戒区域に指定する際には、その旨を、その所有者に対し、県の担当部局が丁寧に説明する必要があります。  私が、ある生産緑地所有者から受けた相談では、その該当する生産緑地が土砂災害警戒区域に指定されたことを受け、その所有者は、工事を施すと生産緑地の指定が外れることを知らずに、危険回避のための工事を行いました。この一件から、当該市の担当部局が、その生産緑地が土砂災害区域に指定されていることを知らなかったことが分かりました。  また、県の担当部局では、その土地が生産緑地であるかにかかわらずに、土砂災害区域に指定しています。当該市と県との双方の間で、情報の共有がなされておらず、これでは困ります。  所有者にとって、どう対応していくのが適切なのか、所有者だけでは判断に迷う状況もあると聞きます。  そこで、お伺いいたしますが、県が土砂災害警戒区域に指定されたことは、土地の所有者等に現状を周知することが目的であるならば、土地の所有者等が適切な判断を下せるよう、関係機関が情報を共有し、土地所有者等に情報を提供すべきと考えますが、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、政令市に対する市街地再開発等への支援について伺います。  神奈川県は、平成23年度に県内の都市再開発事業に対し、財政状況を理由に、政令市を県市協調補助の対象から外しました。  〔資料提示〕  あれから10年が経過し、新たに令和3年度に超過課税、すなわち法人二税を活用した政令市市街地再開発臨時補助金、臨時補助金を創設しました。  法人二税の超過課税の活用目的は、密集市街地の解消や都市の耐久性・耐火性の向上を図ることです。  そこで、令和3年度の対象地域として、横浜市の横浜駅きた西口鶴屋地区、川崎市の川崎駅北口地区第2街区10番館ビル、向ヶ丘遊園駅前北地区が挙がり、1,151万9,000円の予算が計上されています。  この二税の超過課税の年間税収額を見ると約180億円で、そのうちの約80%を政令市内の企業からの税収が占めています。この制度を県が創設されたことにより、政令市市街地再開発の一助となり、創設自体は大変評価をしているところです。  しかし、その内容を見ると、私の地元である川崎市と意見交換をした際に、新たに創設されたこの補助金のスキームでは、従来のスキームと比べて著しく補助金額が少なくなる仕組みであることが分かりました。  そこで、政令市の市街地再開発等に対する支援について、どのように取り組んでいくのか、県土整備局長に伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、県立の図書館に電子図書館サービスを導入することについて伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、図書館まで出かけなくても、インターネットで本を借りることができる電子図書館サービスの導入を始める自治体が、全国で急速に増えています。  〔資料提示〕  一般社団法人電子出版制作・流通協議会によると、今年7月1日現在で229の自治体が導入し、昨年4月1日時点での94の自治体の2倍以上になっています。  令和3年7月1日時点で、神奈川県内では六つの市町が導入し、都道府県でも10の自治体が導入を始めています。  電子図書館サービスは、パソコンやスマートフォンから簡単にアクセスするだけで、読みたい本をすぐに読むことができ、開館時間を気にする必要もありません。  一方、図書館側にとっても、書庫の必要がなく、本がなくなったり汚れたりする心配もありません。今後さらに、導入する自治体が増えると予測され、本県でも確実にニーズが広がっています。  こうした状況の中、私は昨年、県立の図書館について、電子図書館サービスを導入すべきと提案をいたしました。それに対し、教育長は、今後、専門的図書の電子書籍化の動向を見定めながら、他の自治体の先行事例なども参考にし、電子図書館サービスの導入の可否について検討していくと答弁されました。  そこで、県立の図書館に電子図書館サービスを導入することについて、これまでの検討状況と今後の取組を教育長に伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 青山議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、医療提供体制についてお尋ねがありました。  まず、医師の働き方改革についてです。  平成30年に働き方改革関連法が成立しましたが、医師については5年猶予され、かつ、その具体的な内容は、別途定めることとされました。そして、医師の時間外労働の上限を、令和6年度から原則年間960時間とすることとされました。  しかし、国が実施した医師勤務実態調査によると、外科や救急科、産婦人科など、複数科で時間外労働の平均が年間960時間を超えています。  こうした状況を改善するため、医療法が改正され、救急救命士が救急外来においても救急救命処置を行うことが可能となるなど、医師の業務を他職種で補完する規制緩和も盛り込まれており、医師のタスク・シフトが進むことが期待されます。  また、県では、地域医療介護総合確保基金を活用し、医療機関による勤務環境改善の取組に対し補助することで、医師の働き方改革を支援してきました。  加えて、今後、県では、国が行ったアンケート結果を入手し、病院ごとに医師の働き方改革の取組状況の分析を行って、医師の勤務実態を把握していきます。その上で、病院が作成する医師労働時間短縮計画に対し、労務管理アドバイザーが助言を行い、医療機関における医師の勤務状況の改善を促進します。  また、医療機関の管理職等に対する働き方改革の研修会においても、法改正に関する説明や好事例の紹介も行っていきます。  県では、こうした取組により、医師の勤務時間の縮減を促進し、その労働環境の改善に努めてまいります。  次に、医師の育成に係る機会均等と医師確保についてです。  医師を志す人が経済的な理由により、医学部入学を諦めることがない環境をつくることは、医師確保を進める上でも重要になると認識しています。  そこで、昭和47年度から、県が自治医科大学の授業料を負担することにより、これまでに95名の優秀な医師が養成され、県内の医療機関や保健福祉事務所等で活躍しています。  また、平成21年度からは、県内に就業することを条件とした修学資金の貸付けを県内4医科大学で開始し、これまでに81名の医師が県内医療機関で勤務しています。  さらに、県の地域医療支援センターにおいて、大学や医療関係団体と連携して、県内の医学生を対象に地域医療に係る研修会を実施し、県内での定着に向けた取組を進めています。  こうした取組により、本県の医師数は年々増加していますが、平成30年末時点で全国平均を下回る水準であり、医師確保はまだ十分とは言えません。  そこで、今後は、全国の医学生を対象に、県医師会と実施している臨床研修合同説明会をオンラインで開催するなど、県外の大学出身医師の確保にも力を入れていきます。  従来の取組に加え、こうした新たな取組を実施することで、医師を目指す若者の負担を軽減し、医師となる機会を確保するとともに、地域医療の意義を丁寧に説明することにより、県内に定着する医師の育成、確保に努めてまいります。  次に、高齢者施設における安全対策についてお尋ねがありました。  水害や土砂災害が発生するおそれが高いとして、市町村の地域防災計画に位置づけられた高齢者施設は、避難確保計画を作成し、水害や土砂災害を想定した避難訓練を実施して、これを市町村に報告することとなっています。  こうした高齢者施設の政令市、中核市も含めた県内の状況ですが、地域防災計画に位置づけられているのは1,835施設で、このうち避難確保計画を作成しているのは約57%の1,037施設、訓練を実施しているのは約30%の558施設となっています。  次に、県所管域の状況ですが、地域防災計画に位置づけられているのは671施設で、避難確保計画を作成しているのは約72%の484施設、訓練を実施しているのは約56%の376施設です。  県所管域では元年度と比べ、この1年間で避難確保計画の作成割合は7ポイント、訓練の実施割合は32ポイント増えましたが、いまだ3割の施設が計画未作成で、4割の施設で訓練が実施されていません。  国は、避難確保計画を今年度末までに作成することを目標に掲げており、このため、県では、本年7月に国の計画作成の手引などを示しながら、各施設に安全対策の徹底を通知し、市町村に対しては、計画未作成の施設への助言、指導などを依頼しました。  今後も、県が行う監査や実地指導の際に、施設に対し、今年度中の計画の作成や訓練の実施などを働きかけていきます。また、こうした県での取組を政令市や中核市にも情報提供していきます。  災害に対する平時からの備えを充実させ、高齢者が施設で安全に安心して暮らすことができるよう努めてまいります。  最後に、土砂災害警戒区域に生産緑地がある場合の情報共有についてお尋ねがありました。  県では、崖崩れなどの土砂災害のおそれがある箇所を住民の方々にお知らせし、大雨のときに早めの避難を促すことなどを目的として、土砂災害警戒区域を指定しています。  指定した警戒区域は、県内全域で1万か所を超えています。警戒区域の指定に際しては、危険な箇所を広く住民にお知らせすることが重要であることから、市町村と連携し、区域内の住民の方々を対象に、説明会の開催などにより、周知に努めてきました。  しかし、警戒区域には、例えば生産緑地のように他の法令が適用されている場所もあります。こういった場合、土地所有者は土砂災害の危険を認識しつつも、生産緑地として耕作し続けてよいのか、対応に迷うケースも想定されます。  また、他法令を所管する各機関が土地所有者に対し、より適切な指導、助言を行うためには、その土地が警戒区域に指定されていることを認識しておく必要があります。  そこで、県は、生産緑地など、土地に関する法令を所管する市町村を含めた関係機関が一堂に集まる会議を開きます。  この会議では、県から関係機関に対し、改めて警戒区域について説明し、情報共有するとともに、警戒区域と他の規制が重複している土地の所有者に、具体的にどう対応していただくか、検討します。  こうした検討を速やかに行い、各関係機関が所有者に対し、適宜情報を提供し、的確に住民に寄り添った助言を行えるようにして、住民が自らの土地を迷いなく有効に利用できるよう取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  死因究明についてお尋ねがありました。  本県では、令和2年に警察が扱った遺体約1万2,000件のうち、約2,500件が御遺族の希望により行われる承諾解剖となっており、この件数、割合は全国的に見ても非常に高いものとなっております。  今後、多死社会を迎えるに当たり、死因を究明するため、解剖や検案を行わなければならない事案が増えることが予想されます。この点について、県が設置した死因究明推進協議会では、まずは、各地域で検案ができる体制を整え、検案を増やしていくべきという議論が行われています。そのためには、検案ができる医師の育成を行っていく必要があります。  そこで、県は検案に対応できる地域の医師を育成する研修事業を、引き続き実施していきます。  次に、死亡時画像診断の活用についてです。  現在、県内の法医学教室を持つ六つの大学のうち、4大学に死亡時画像診断システムが設置されており、活用実績は令和2年度が1,033件と増加傾向にあります。  死亡時画像診断は、犯罪の見逃し防止や死亡時の病態把握に有効であることから、今後の協議会において、この推進について議論を深めていきます。  県はこれからも、関係者との協議を進め、死因究明体制の整備に着実に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  政令市に対する市街地再開発等への支援についてお尋ねがありました。  市街地再開発等の事業は、密集市街地の解消や都市の耐震性・耐火性の向上を図り、土地の高度利用と都市機能の更新を図る重要な役割を担っています。  そうした中、令和元年に台風19号が本県を通過し、都市部である川崎市などでは、大雨による建物への浸水被害が生じるなど、市街地において甚大な被害が発生しました。  そこで、県は、平成23年度から廃止していた政令市域の再開発組合等への補助に代わり、昨年度延長させていただいた法人二税の超過課税を活用した政令市市街地再開発臨時補助金を新設しました。  この補助金の枠組みは、道路事業に関する政令市への補助金と同様に、地方債を除く一般財源の3分の1を県が政令市へ補助するものです。  この新たな補助金は、市街地再開発等の事業に合わせ、建築物の浸水被害を軽減することを目的に制度化したものであり、この補助を行うことによって、災害対策の向上を図ります。  このため、県は、この補助金の一連の手続を通じて、適宜、技術的な助言を行うことなどにより、安全性の確保という目的の達成に向けて、政令市に対し、積極的に支援を行っていきます。  また、政令市が行う市街地再開発等の事業に対して、国に十分な補助を求める要望活動等については、引き続き政令市と連携しながら取り組んでいきます。  このような取組により、県は、政令市に寄り添いながら、再開発等の事業を支援し、安全で魅力あるまちづくりをサポートしていきます。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校に医学コースを設置することについてです。  県教育委員会では、現在取り組んでいる県立高校改革の中で、医師を目指す生徒を支援するため、どのような取組が可能か調査、検討を進めています。  具体的には、これまで他県で医学コース等を設置している県立高校の取組状況や、その成果と課題などを調査するとともに、県内の学校関係者から医学コース設置の在り方などを伺ってきました。  こうした調査等の中で、医学コースを設置している他県の高校からは、コースの運営には地元の医療関係団体の協力が不可欠である、また、本県の学校現場からは、コースを設置する場合は、それに見合う生徒数が確保できるかが課題、コースの設定にかかわらず、医師を目指す生徒に講習会などで情報提供や意識啓発を行うことは有効といった御意見を頂いています。  そのため、こうした意見を踏まえ、今後、医療関係団体から、医学コースの設置などに関する受け止めについて御意見を伺います。また、頂いた御意見を基に、医師を目指す生徒にどのような後押しができるかを検討していきます。  県教育委員会では、来年度策定予定の県立高校改革実施計画(Ⅲ期)に向けた取組の中で、医師を目指す生徒のための支援方策について、医学コース設置の是非を含め、引き続き検討してまいります。  次に、県立の図書館に電子図書館サービスを導入することについてです。  電子図書館サービスは、電子図書館システムを運営する事業者が著作権者の許諾を一括して取得し、図書館との契約を結んだ上で、主にクラウド上で電子書籍を提供するサービスです。  県教育委員会では、現在進めている県立図書館再整備の中で、電子図書館サービスについて、専門的図書館である県立の図書館の役割を踏まえ、有識者の意見も伺いながら検討しています。  まず、県立の図書館で収集の可能性がある専門的図書の電子書籍化については、例えば学術書を主に取り扱う事業者の電子書籍数が、この約1年間で1.2倍を超えるなど、増加傾向にあることが分かりました。  また、既に電子図書館サービスを開始している他県の県立図書館では、電子書籍の拡大縮小機能により見やすくすることができる図鑑や、館外貸出しができない辞典などに重点化して、電子書籍を選定するなど、工夫した取組が見られました。  有識者からは、電子図書館サービスは、図書館が所有して貸し出す書籍と異なり、システムを運営する事業者が電子書籍を提供するため、採算性などの理由でサービスを終了する場合があり、その際の対応を検討すべきとの課題提起がありました。  これらを踏まえ、県教育委員会では、県立の図書館における電子図書館サービスの導入について、引き続き検討し、今年度内を目途に結論を得たいと考えております。  以上でございます。  〔警察本部長(山本 仁)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 山本警察本部長。 ◎警察本部長(山本仁) 県警察における死因・身元調査法に基づく署長権限解剖の運用状況についてお答えします。  署長権限解剖は、死因・身元調査法に基づき、死因を明らかにするため、警察署長が特に必要があると認めた場合に実施するものです。  具体的には、外傷のある死体や腐敗のある死体等について、CT検査等の画像による診断や毒物、薬物等の必要な検査を行い、法医学者等の意見を聴いて解剖しています。  県警察が取り扱った死体は、ここ数年、約1万2,000件前後で推移しております。このうち、警察署長の権限で解剖した死体は700件前後となり、本年も8月末時点で554件となっています。  正確な死因を究明するためには、現場で死体を取り扱う検視官や鑑識課員等の警察官の法医学に関する知見の向上を図ることが重要と考えています。  そのため、毎年、専門的な知識を有する法医学者等を講師として招き、窒息死や中毒死、凶器等の外傷による死因など、最新の知見を得るための研修や自殺・他殺の判別など、具体的な事例に基づく検討なども実施し、現場で死体を取り扱う警察官の能力向上に努めております。  県警察では、適正な死体取扱業務を推進するため、必要な予算の確保に努めるとともに、医師会や歯科医師会等と綿密な連携を図り、犯罪死の見逃しを防ぎ、安全で安心して暮らせる社会の実現に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔青山圭一議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 青山圭一君。  〔青山圭一議員登壇〕 ◆青山圭一議員 それぞれ答弁を頂きました。  それでは、再質問いたします。  まず初めに、高齢者施設の安全対策についてです。  答弁によると、私の地元である川崎市を含めた政令市においての避難確保計画の状況、避難訓練の状況の数値が低いのではないかということであります。  令和2年10月1日の避難確保計画の全県の作成率は57%、県所管域は72%となっていますが、政令市の横浜市は40.9%、川崎市は46.1%となっています。  また、避難訓練の実施率は、全県では30.4%であるのに対し、横浜市は28.3%、川崎市は3.7%という数字があります。  県として、政令市に指導する権限はありませんが、県内他市町村における避難確保計画の作成の状況、避難訓練の状況などの情報を共有し、政令市と協力しながら取り組んでいくことは可能と思いますが、知事の所見を改めて伺います。  次に、県立高校に医学コースを設置することについてです。  答弁にもあったように、県立高校に医学コースを設置するに当たり、医療関係団体との連携は欠かせません。そこで、こうした関係機関との連携については、いつまでに取組を行うのか、再度、教育長に伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  高齢者施設の安全対策についてでありますが、県では、県所管域の高齢者施設の避難確保計画の作成状況や避難訓練の実施状況を、様々な機会を捉えて情報収集しています。  また、監査や実地指導の際に、計画の作成や訓練の実施などを施設に働きかけています。こうした県の取組を政令市へ情報提供し、県内の高齢者施設の安全対策について、政令市と協力して進めてまいります。  答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 再質問にお答えいたします。  医学コースの設置の是非については、来年度中に策定予定の県立高校改革実施計画(Ⅲ期)に向けて検討していくこととしております。  そのため、Ⅲ期計画の検討を進める中で、どのような取組ができるのか、医療関係団体の意向も確認していきます。  以上でございます。  〔青山圭一議員発言の許可を求む〕 ○副議長(佐々木正行) 青山圭一君。  〔青山圭一議員登壇〕 ◆青山圭一議員 それぞれお答えを頂きました。  それでは、順次要望させていただきたいと思います。  まず、高齢者施設の安全対策についてです。  政令市とも連携して、避難確保計画の作成を促していきたいという趣旨の回答であったと思います。  先ほども申し上げましたが、国は2021年度末に避難確保計画の作成を完了することを目標としていますが、本県は全県で56%の作成率にとどまっています。  このうち、政令市の所管が高齢者施設も多く、作成率が低調となっています。ぜひ、政令市に情報提供するなどして、作成率、避難訓練の実施率を上げていただき、災害に万全の対策を備えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、県立高校に医学コースを設置することについてです。  関係団体との調整を、来年のⅢ期計画に合わせて進めていくという趣旨のお答えであったと思います。  ぜひ、この医療関係団体に十分協力を頂けるようにお願い申し上げたいと思います。  このたび、コロナ禍の状況でありましたが、他県等の医学コースの設置状況も調査をしていただいたところであります。ぜひ、そうした他県等の状況を参考にしていただいて、本県の県立高校に医学コース設置に向けた取組を推進していただくよう、お願い申し上げたいと思います。  次に、死因究明についてです。  協議会を開催し、今後の死因究明について議論を深めていくとの趣旨であったと思います。  Ai、画像診断の活用については、一定の活用がなされたことが分かりました。件数についても、1,000件ほどでしたでしょうか、活用されたということで、一定程度、活用がされているということでしたので、また協議会の中では、このAi、死亡画像診断の活用について議論をするということでありますので、その動向を注視してまいりたいと思います。  一方で、承諾解剖、権限解剖もそうなんですけれども、この詳細が県のほうにフィードバックがなかなか十分にされていないのではないか、公衆衛生の向上に本当に役立っているのか、こういうような意見もあるわけでございますので、ぜひ内容をしっかりフィードバックする、そういうような観点で、この協議会の中でも議論を深めていただきたいと思います。  次に、死因・身元調査法の運用状況についてです。  昨今の警察の署長権限解剖の現状について御説明頂きました。超高齢化社会においては、さらに署長権限解剖の実施件数が増加すると思われます。県警察に対しては、増加する死体取扱いに対して、予算不足から署長権限解剖ができないという事態にならないように、十分な予算の確保に努めていただくようお願いしたいと思います。  死因を究明することで、遺族の不安の解消に努めるよう、法の適正な運用についてもお願いしたいと思います。  次に、市街地再開発事業についてです。  先ほども申し上げましたが、今までこうしたスキームがなかったことを考えますと、この制度の制度創設は評価するところであります。  ただ一方で、今までの県の市に対する補助割合、これは今までと比べると、試算すると15分の1になってしまう、こういうふうにも言われておりますので、ぜひ今後、政令市からの相談に対応して、しっかり支援していくということでありますので、政令市からのそうした申入れに対して、件数の上限を設けることなく、しっかりと対応していただきたい。その際、この事業を終了するまで、何らかの支援についてもお願いしたいと思います。  次に、土砂災害警戒区域がある場合の情報共有について、関係機関が一堂に会して情報共有を行う場をできるだけ早く設ける、大変前向きな答弁を頂きましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に、県立の図書館に電子図書館サービスを導入することについてです。  検討の結論を年度内にしたいということでありますので、ぜひ来年度の秋の事業再整備のオープンに合わせて、電子図書館サービスを導入することを期待しています。  以上で、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029081-質問・答弁-原聡祐議員-一般質問①医療従事者等の新型コロナワクチン優先接種について②災害発生時の救助・支援体制について③無電柱化推進計画の改定について④東京2020大会の事前キャンプについて⑤口腔の健康意識の向上について⑥ローカル5G実証環境を活用した中小企業支援について⑦コロナの影響を受けた商店街支援について⑧特定動物の管理について》   〔副議長退席、議長着席〕  〔原 聡祐議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 原聡祐君。  〔原 聡祐議員登壇〕(拍手) ◆原聡祐議員 私は、自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問させていただきます。  先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。知事並びに産業労働局長健康医療局長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  〔資料提示〕  質問の第1は、医療従事者等の新型コロナワクチン優先接種について伺います。  本県においても新型コロナワクチン接種が進んでいる状況ですが、県や市町村においては、これまでの取組に当たって大変な苦労もあったことと思います。  接種開始当初はワクチンの確保や接種率など多くの不安の声がありましたが、政府は1日で100万回の接種と目標を立て、多い日では約160万回という圧倒的なスピードで接種を行っており、首相官邸ホームページによりますと、9月22日公表時点で、1回目の接種率は67.2%、2回目は55.1%となり、NHKホームページによると、ワクチン接種が完了した人の割合は、9月24日時点で米国を上回っているとのことです。これは政府をはじめ、各都道府県、市町村の懸命な努力によるものと思います。  本県が主体となって実施した医療従事者等向け優先接種については、私の住む横浜市中区では、当初、情報の共有が十分できているとは言えませんでした。  中区医師会では、接種会場を確保し、人員を集め、できる限り多く医療従事者の皆さんに接種を済ませてから集団接種に取り組もうと、医師会が主導して接種体制を整えていただきましたが、肝腎なワクチンが接種当日に確実に会場まで届くのか、人員を集めたのはいいが、ワクチンがなければ無駄に終わってしまうなどといった心配もありましたが、その後、調整がなされ、スムーズな接種ができたと感じております。  優先接種の対象となる医療従事者等については、国がその範囲を示し、実際、接種を進めていく中で、病院施設で働いている事務職や出入り業者なども対象に含めてきたものと承知しております。  しかし、例えば、医療施設では働いていないものの、より患者に近い立場にいる医療関係者の中には、優先接種を受けられなかった方もいるという声も仄聞しております。  現在、国のほうで3回目の追加接種、いわゆるブースター接種を検討中と承知しておりますが、国から方針が示されたら、速やかに接種を実施する必要があります。  このため、今回、県が主体となって実施した医療従事者等向けの優先接種について、対象者の範囲などの課題を整理し、必要に応じて国に要望していくことも考えるべきだと思います。  そこで、知事に伺います。  新型コロナワクチンの追加接種も見据え、県が実施した医療従事者等の優先接種について、対象者などに関する課題をどのように捉え、今後どう生かしていくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、災害発生時の救助・支援体制について伺います。  先週末、日本列島を予測し難い進路で縦断した台風14号は、ふだんは雨の少ない地域にも被害をもたらし、横浜市でも、床上浸水や中区山元町の一部でも石積擁壁の一部が崩壊し、5世帯、8名の方々に避難指示が発令されました。  また、今年7月、東海地方や関東地方を襲った記録的な大雨により、静岡県熱海市で大規模な土砂災害が発生しました。報道では、土砂災害発生時の動画が何度も流され、家屋や車両等が一瞬で土砂に巻き込まれる映像に、改めて災害の恐ろしさを認識させられました。  この土砂災害では、県内外から民間も含めた様々な応援活動が行われ、本県からは緊急消防援助隊神奈川県大隊220名、県警から広域緊急援助隊28名を派遣し、人命救助に携わったと承知しております。  このように、大規模災害が発生すると、被災した自治体だけの対応には限界があり、物資供給や医療救護、緊急輸送などにおける自治体間や民間との連携が極めて重要になってきます。  県は、民間団体が有する専門的な人材や設備、ノウハウを活用するため、様々な分野の民間団体と防災協定を締結していることは承知していますが、協定を締結した後も、日頃から顔の見える関係づくりが重要になると考えます。  一方、平成30年6月に災害救助法が改正され、大規模災害時における救助の実施主体について、これまで県だけだったものが、政令市も救助の実施主体となったと承知しております。  県と災害協定を締結している事業者の多くは、政令市とも同じような協定を締結していると考えられますが、大規模災害時に協定事業者が、県と政令市の双方からばらばらに要請があることで混乱を来し、救援物資等の供給が偏ったり、滞ったりすることは避けなければなりません。  また、県内の応援で不足する場合は、県外からの応援を受け入れることになると思いますが、その際には県の広域調整の下で、救助実施市である政令市はもとより、国や都道府県としっかり連携して、救援物資の供給などの救助を行う体制を構築することが重要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  本県でいつ起きてもおかしくない大規模災害への対応力を高めるため、改正災害救助法を踏まえ、県の主導の下で政令市や協定事業者と連携し、県外からの応援も含め、適切に救助や支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、無電柱化推進計画の改定について伺います。  我が国は、戦後復興期や高度経済成長期を経て、先進国の仲間入りを果たしましたが、急増した電力・通信需要を満たすため、非常に多くの電柱が立てられ、電力線や通信線のほとんどは電柱に支持された架空線となりました。  その結果、桜の木とほぼ同じと言われる約3,600万本もの電柱が林立し、立ち並ぶ電柱は、歩行者や車椅子利用者などの通行を妨げ、電線は、道路の上空を張り巡ることとなりました。  一方、先進欧米諸国を見ると、例えば、ロンドンやパリの無電柱化率は100%となっており、香港やシンガポールといったアジア諸国と比べても、我が国は、無電柱化の進展において、大きく後れを取っている状況にあります。  加えて、近年では、地震や台風などの災害時に、電柱の倒壊や、垂れ下がった電線により、救急救命活動や災害復旧活動に支障を来すケースや、停電や通信障害の発生といったケースが報道されております。  令和元年の台風15号では、千葉県を中心に2,000本近くの電柱が倒れるなどして、長期間にわたって大規模な停電が発生し、本県でも、横浜市や鎌倉市などで約14万軒が停電したことは記憶に新しく、特に、防災性の向上や電力通信のレジリエンス強化の観点から、無電柱化の推進が強く求められているところであります。  これまで県では、無電柱化法に基づく神奈川県無電柱化推進計画を令和元年に策定し、合計10.2キロメートルで無電柱化事業に着手することを掲げ、無電柱化を推進していることは承知しております。  この計画は、国の無電柱化推進計画を基本として、県が管理する道路の無電柱化の推進に係る基本的な方針や目標、施策を定めたものでありますが、国では、この5月に新たな計画を策定し、今後5年間で、無電柱化のさらなるスピードアップを図ることといたしました。  これを受け、県においても、計画を改定し、より一層、無電柱化を推進していくべきと考えております。  無電柱化の事業には、地元や電線管理者との調整などに時間を要するほか、多額の費用がかかるとされておりますが、コスト縮減を図りながら、国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の予算も活用し、より多くの箇所で無電柱化事業を実施し、切迫性が懸念される首都直下地震などの巨大地震や、相次ぐ大型台風の来襲など、災害にしっかりと備えていかなければなりません。  そこで、知事に伺います。  本県における現在の無電柱化推進計画の取組状況と、今後の計画改定の見通しについて、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、東京2020大会の事前キャンプについて伺います。  東京2020大会は、9月5日のパラリンピックの閉会式をもって終了いたしました。  新型コロナウイルスの感染拡大により、ほとんどの会場で無観客開催となるなど、これまで経験したことのない困難を伴う大会となりましたが、感染の拡大につながるようなこともなく、オリンピックにおいて、横浜スタジアムで女子ソフトボールや野球で日本代表が獲得した金メダルを含め58個のメダルラッシュとなり、パラリンピックでは、様々な障害を乗り越え、最高のパフォーマンスを発揮したパラリンピアンに感動し、予想を上回る盛り上がりを見せ、大会は成功したと言えるのではないかと思います。  オリンピック・パラリンピック大会は、開催都市である東京都と大会の運営主体である組織委員会が実施するものでありましたが、選手が大会前にコンディションを整えるために実施する事前キャンプの受入れについては、自治体独自の取組として大変重要なものであったと認識しております。  東京都に隣接する本県では、全国でも有数の事前キャンプが実施されましたが、新型コロナウイルスの感染の拡大により、エリトリア、モルディブ、ミャンマー、オーストラリアなど、直前に幾つかの国が事前キャンプの中止を決断することとなり、それまで長い時間をかけて選手団の受入れに尽力してきた自治体関係者の努力を考えると、非常に残念であったと思います。  また、キャンプの大きな目的の一つであった県民との交流も著しい制約を受けざるを得なくなってしまうなど、多大な影響があったのではないかと思います。  そもそも、県が海外チームの事前キャンプを積極的に誘致したのは、県民がアスリートを身近に感じて大会やスポーツへの関心を高めたり、国際交流の進展や、県の魅力を世界に発信する狙い等があったと思いますが、こうした目的はどの程度達することができたのか気になるところであります。  〔資料提示〕  一方で、こうしたトップレベルの海外チームを受け入れたこと、特に、設備や日常生活で様々な配慮が必要なパラリンピックチームの事前キャンプを経験したことは、今後のスポーツ施策をはじめとした様々な取組を行っていく上でも、大変貴重な財産になったのではないかと感じております。  そこで、知事に伺います。  東京2020大会の事前キャンプについて、コロナ禍の厳しい状況の中でどのように取り組んだのか、また、受入れの経験を今後どのように生かしていこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、口腔の健康意識の向上について伺います。  コロナ禍において、多くの人々が、感染対策として不要不急の外出を控えていただいておりますが、一方で、医療機関の受診控え、健康診断やがん検診控えが問題となっております。  先日、2020年度の医療費は、コロナ前の2019年度と比べて3.2%減少し、過去最大の減少幅であったことが発表されました。原因の一つとして、新型コロナウイルスへの感染を懸念した受診控えの影響が指摘されております。  医療機関の受診や健診は不要不急の外出ではなく、適切に受診していただく必要がありますが、感染を恐れ、これらを控えてしまうことで、例えば、生活習慣病やがんの早期発見の機会を逸するなど、様々な問題が生じることになり、県民の健康状態が懸念されているところであります。  また、医療機関だけでなく、歯科医療機関においても、受診控えがあると聞いております。新型コロナウイルスは飛沫感染すると言われているため、口を開けての治療を伴う歯科の受診控えにつながっているのかもしれませんが、その結果、口腔内の健康状態が悪化してきている県民の方が増えているのではないかと考えております。  歯や口の健康は、食べることや話すことに影響するだけではなく、全身の健康状態にも影響を与えると言われております。しかし、口腔内の健康というのは、一朝一夕には改善されないものであります。いまだコロナ禍の収束が見通せない中、受診控えなどにより、口腔内の状態が悪化する方が増えると、数年後には、県民の健康状態に大きな影響が出てくるのではないかと危惧しているところであります。  神奈川県歯科医師会では、口腔内の画像を撮り、口腔内の健康状態が把握できるアプリを作成して、県民の歯と口腔に対する意識を向上させる取組を模索していると聞いております。県民一人一人が、自分の口腔内の健康状態に関心を持ってもらうきっかけになる、いい取組だと思っております。  本県は、8020運動を推進し、オーラルフレイル対策についても、全国に先駆けて取組を進めてきたことは承知しておりますが、口腔の健康状態をよくしていくことは、知事の進める未病改善にもつながるもので、県としても、さらに取組を進めていく必要があると考えております。  そこで、知事に伺います。  コロナ禍で受診控えが進んでいると言われる中、県民の歯と口腔の健康意識の向上に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、ローカル5G実証環境を活用した中小企業支援について伺います。  コロナ禍により、中小企業が大きな打撃を受けていることから、今後、企業の成長支援に、より一層力を入れる必要があります。それに向けて、新しい通信規格である5Gの活用が重要だと考えます。  従来の通信規格である4Gよりも、超高速かつ多数同時接続が可能といった長所を持つ5Gは、通信事業者、いわゆるキャリアによる利用環境の整備が進みつつあります。例えば、県庁舎がある中区でも、5G対応のスマホでは、5Gのアンテナが立つようになってきております。  5Gには、このように通信事業者が提供する公衆回線としての5Gサービスとは別に、工場の敷地内などや地域限定で柔軟に通信環境を整えるローカル5Gがあります。県では昨年度、県立産業技術総合研究所─KISTECに、ローカル5G実証環境を整備したと承知しております。  こうした中、産業界に目を向けると、ローカル5Gを用いて、生産や作業などの効率を上げるための様々な実証実験が行われております。  例えば、工場内の生産ラインに流れている部品の画像を瞬時にサーバーに集約し、AIで解析することで不良品を見つけ出したり、部品などを無人で搬送するロボットを遠隔制御するといった実験が行われております。  また、ユニークな事例としては、鉄道車両のドアを閉める判断をAIで行うことを目指し、駅のホームに高精細カメラを設置し、旅客の動きをリアルタイムで把握するといった実験が行われております。  このように、産業界では様々な実証実験に取り組まれておりますが、そのほとんどは、大企業やローカル5Gによる新たなビジネスの創出を目指す総合商社などによるもので、中小企業での取組は、ほとんど見られないのが現状であります。  中小企業においても、当然、効率的な生産や作業を目指していくことは重要でありますが、資金的にも人材的にも余裕がなく、また入手できる情報にも限りがあることから、やはりローカル5Gの導入はハードルが高いのではないかと考えております。  一方で、本県内には、多数の中小ものづくり企業が集積しており、昨今のコロナ禍により大きなダメージを受けております。今から、アフターコロナを見据えて、ビジネス環境を整えていくには、中小企業の成長にローカル5Gを活用していくことは非常に重要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  KISTECに整備したローカル5G実証環境をどのように中小企業の成長に結びつけていこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、コロナの影響を受けた商店街支援について伺います。  商店街は、地域住民にとって日用品など生活必需品を購入する身近な存在であり、地域コミュニティーの核でもあります。少子・高齢社会を迎え、今後、地域における商店街の役割はますます重要になってくると思っております。  商店街の多くは、経営者の高齢化や空き店舗の増加、後継者不足、さらにネットショッピングの利用拡大など、消費者のライフスタイルの変化等、様々な要因により活気がなくなり、非常に厳しい状況にあります。  私の地元、横浜市中区の商店街では、横浜の若者のファッションに影響を与えた商店街や歌謡曲の題材になるほどにぎわった商店街、昭和の雰囲気が残り、安く飲み食いができる飲食店が多く連なる商店街があります。  コロナ以前はイベントやセールが行われ、活気ある商店街が多数ありました。また、まちづくり総合支援事業を活用し、ミュージシャンのゆずが命名したライブ施設を運営するなど、商店主の皆さんも集客や地域の活性化に様々な工夫と努力を積み重ねてまいりました。  そのような中、いまだ収束が見えない新型コロナウイルス感染症により、商店街を取り巻く環境は大変厳しくなっており、多くの商店街では、人通りの減少や各個店の売上げ減少など、大きな影響を受けていると認識しております。  現在、県内には緊急事態宣言が発令されており、夏のイベント等の開催が中止されたとともに、今後予定される秋のイベントなどの開催が不透明な状況であります。  このように、コロナ以前のようなイベントなどによる集客も難しく、県内の商店街では、飲食店を中心にシャッターが閉まったままの店舗があるなど、事業の継続が危ぶまれる事業者が出ていると聞いております。  国や横浜市の補助金等も活用し、Go To 商店街事業やイベント事業補助金も期待しているところですが、いまだ先行きが分からず、ぎりぎりの現状でも頑張っている商店街が多数あり、人流抑制に御協力頂いているところですが、アフターコロナを見据え、疲弊した商店主、商店街を集客や売上げ向上につなげていく後押しが重要であり、県はそのための補助をしていく役割があると考えます。  県では、飲食店への協力金や売上げが減少した事業者への給付金など、個々の店舗への支援を行っていると承知していますが、商店街の活性化に取り組む商店街を支援することが必要であると考えます。  そこで、産業労働局長に伺います。  新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きな打撃を受けた商店街の活性化に向け、今後どのように商店街を支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、特定動物の管理について伺います。  特定動物は、動物愛護管理法で人に危害を加えるおそれのある動物として規定されているものであり、ゾウやサイといった大型動物やチーターやピューマのような肉食動物、毒を持ったコブラやマムシ、またワニやカミツキガメのような爬虫類等、約650種が指定されております。  本年5月に、横浜市でペットとして飼われていた特定動物で、体長約3.5メートルのアミメニシキヘビが逃げ出す事例が発生しました。捕獲されるまで17日と時間がかかったことから、近隣住民が恐怖感や不安感を持って日々を過ごしたと報道されました。  また、6月には長野県で、8月には千葉県で同じく特定動物であるペットのオオカミ犬が逃げ出す事例が発生し、特定動物の飼育管理に疑問を持たれる事例が続けて起こりました。  さらに、特定動物ではありませんが、2019年に茨城県のペットショップから逃げ出したミナミジサイチョウは捕獲まで約1年半と大変時間を要しました。鳥類は一度逃げてしまえば、空を飛んでしまうので捜索範囲が拡大し、捕獲はさらに困難となってしまいます。特定動物には、コンドルやタカ科のような鳥類も指定されているので、このような事態を起こしてはなりません。  県所管域で特定動物を飼育する場合には、知事の許可を受けなければなりませんが、動物愛護管理法の改正により、昨年6月から、愛玩を目的として新たに飼育することが禁止されております。  一方、法改正以前から、愛玩を目的として飼育が許可され、現在も継続して飼われている特定動物もいると承知しております。  特定動物については、許可を受けた後も、引き続き適切に飼育管理されなければ、逃げ出してしまう事例がまた発生しないとも限らず、その影響を考えると大変憂慮されます。  このため、県所管域において、特定動物が逃げ出す事例が発生しないよう、日頃から、特定動物を飼育している方々への指導をしっかり行う必要があり、また、万が一、逃げ出す事例が発生した場合には、人への危害防止の観点から、適切に対応する必要があります。  そこで、健康医療局長に伺います。  特定動物が逃げ出すことを防止するため、どのように取り組んでいるのか、さらに、万が一、逃げ出す事例が発生した場合には、どのように対応するのか、見解を伺います。  以上で、私の1回目の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 原議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、医療従事者等の新型コロナワクチン優先接種についてお尋ねがありました。  医療従事者等に対する優先接種は、コロナ患者等と頻繁に接するという業務の特性上、早期に接種をする必要があることから、国が方針を決定したものです。  医療従事者等の範囲を定めた背景には、当時、ワクチンの供給が始まったばかりであり、確保できる量にも限りがあったという事情がありました。  医療従事者等の具体の範囲としては、病院等において患者に頻繁に接する機会がある医師その他職員などが列挙されています。これに含まれなかった従事者は、患者と頻繁に接するとは言えないという理由で、対象とはならなかったのではないかと考えています。  ただし、今回、医療従事者等に含まれなかった従事者であっても、決して低くはない感染リスクを感じている方もいらっしゃいます。こうしたことから、医療従事者等の範囲については、多くの方々の意見も伺いながら、再検討を行う余地があるのではないかと考えています。  いわゆる追加接種と呼ばれる3回目のワクチン接種については、先日、国からこれを行うとの方向性が示されました。詳細は検討中と伺っていますが、その中で、もし医療従事者等に対する優先接種を再び行うのであれば、その範囲について、再検討を行うよう国に求めていきます。  今後とも、医療従事者や県民の皆様へのワクチン接種が円滑に進むよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、災害発生時の救助・支援体制についてお尋ねがありました。  本県全体に被害が及ぶ大規模な災害が発生した際に、被害の状況に応じて、被災者に公平に物資等を提供し、適切に救助を行う体制を整備することは大変重要です。  災害救助法が適用される大規模な災害では、救助の主体は県が基本となりますが、平成30年の法改正によって、本県では3政令市における救助の主体は、それぞれの市となりました。  これにより、大規模災害時に各救助主体から協定事業者等に対して、それぞれ支援要請が行われることで、資源の取り合いが生じ、県全体として救助の公平性が保てなくなる懸念が生じました。  そこで、県は、都心南部直下地震など六つの地震における被害想定を参考に、3政令市と協議の上、災害救助に係る資源配分計画を作成し、県の総合調整の下で、救援物資等を公平に配分する目安や手順などを定めました。  あわせて、県の災害対策本部の司令塔となる統制部に市町村応援班を設置して、大規模災害時には政令市や協定事業者も参集する中、資源配分計画に基づき、被災者の救助、支援を一元的に調整する体制を整備しています。  また、県外に支援を求める必要がある場合には、市町村応援班が被災市町村のニーズを的確に把握しながら、国や全国知事会などと調整を行います。  こうした仕組みや体制が、いざというときに確実に機能するよう、県では政令市や協定事業者等を交えた災害救助に係る連絡会議を定期的に開催し、情報共有を図っています。  また、政令市や協定事業者の参加の下で毎年実施している大規模図上訓練で、災害救助法が適用される大規模災害を想定した実践的な演習を行うなど、練度の向上に努めています。  県としては、こうした取組を通じて、政令市や協定事業者と顔の見える関係の構築を図り、大規模災害発生時に公平かつ適切に救助や支援が行えるよう万全を期してまいります。  次に、無電柱化推進計画の改定についてお尋ねがありました。  道路の無電柱化は、電柱の倒壊による災害時の道路閉塞を防ぐとともに、快適な通行空間を確保し、良好な景観を形成する観点からも大変重要です。  しかし、無電柱化には、沿道にお住まいの方々の御理解を得ることや、電線を埋設する空間を確保するため、既に埋まっている水道やガス管等の移設が必要となる場合があるなど、多くの時間と費用がかかることから、全国的に整備が進んでいないのが実情です。  そこで、国は平成28年に無電柱化法を制定し、平成30年には事業着手の数値目標や新設電柱の原則禁止等の施策をまとめた推進計画を定めました。  これを受け、県は令和元年に地方計画を策定し、防災、歩行空間、景観の観点から、21か所、10.2キロメートルで事業に着手することを目標としました。  計画の取組状況ですが、地方計画に定めた箇所を重点的に支援する国の補助制度を活用して、これまでに20か所、9.7キロメートルで事業に着手し、目標はおおむね達成しています。  また、緊急輸送道路では、これ以上、電柱を増やさないよう電柱の新設を原則禁止としています。  次に、計画改定の見通しです。  国は今年5月に新しい計画を定め、今後5年間で事業に着手する箇所を大幅に増やしていくとの方針を示したことから、県は、直ちに地方計画の改定に向けた検討に着手しました。  具体には、激甚化、頻発化する災害を踏まえ、災害対応の拠点となる行政の庁舎や病院周辺の緊急輸送道路を優先し、新たな事業箇所の選定を進めています。  今後、市町村などの意見を伺いながら計画素案を取りまとめ、パブリック・コメントを実施の上、今年度内に計画を改定します。  県は引き続き、災害に強く、魅力ある県土づくりに向け、無電柱化にしっかりと取り組んでまいります。  次に、東京2020大会の事前キャンプについてお尋ねがありました。  東京2020大会において、本県では、10市3町5団体が事前キャンプを受け入れ、1,300人を超える選手団を無事に大会へと送り出すことができました。  事前キャンプでは、まず何よりも、コロナ対策に万全を期すため、県は各受入れ市町をサポートしてバブル化の徹底など、細部に至るマニュアルを事前に作成したほか、選手団のPCR検査を県内統一的に運用するため、一括契約するなど、準備を着実に進めました。  また、組織委員会等と設置した協議会での議論を踏まえ、医療機関等との連携の下、感染防止対策の徹底を図りました。  一方で、近隣の子供たちとのオンライン交流や、安全な距離を保った練習の公開などを行ったほか、地域の魅力を動画で案内したり、七夕飾りや折り紙で歓迎の気持ちを表すなど、様々な工夫で選手たちと心を通わせることができたと考えています。  さらに、事前キャンプの様子や選手の紹介などをSNSやホームページで発信することで、広く県民の皆様に事前キャンプの国々と選手たちへの関心を高めてもらうことができました。  そして、今回、県立スポーツセンターでは、約70名のパラリンピック選手団を受け入れました。県立スポーツセンターは障害者スポーツの推進拠点として、徹底したバリアフリー化を図り、昨年7月にリニューアルオープンしましたが、障害の種別も競技種目も多岐にわたる大選手団の長期合宿の受入れは、今回が初めてでした。  そこで、選手団とPFI事業者、スポーツセンター職員が日々の情報共有をしっかり行うことで、それぞれの練習会場に向かう選手たちの動線分離や、障害の特性に応じた適切な誘導など、きめ細やかな配慮の下にキャンプを実施することができました。  県としては、今回の事前キャンプ受入れで得られた経験を生かして、アスリートの様々なニーズに対応した施設運営に取り組み、Withコロナ時代におけるスポーツイベントや合宿の受入れを進めてまいります。  次に、口腔の健康意識の向上についてお尋ねがありました。  県では、食、運動、社会参加の三つの取組を通じて未病改善に取り組んでおり、食においては、食べる力、口腔の健康が大変重要です。  さらに、口腔内の疾患である歯周病は、糖尿病や心疾患などにも影響を与え、口腔の機能の衰えは、誤嚥性肺炎などにつながるおそれもあります。このように、口腔の健康を保つことは、全身の健康のためにも非常に大切です。  県ではこれまで、80歳までに20本の歯を残す8020運動を推進し、「健口体操」の普及などの取組を行ってきました。また、口腔機能の衰えであるオーラルフレイルについて、その対策の普及啓発に努めるとともに、改善プログラムを作成し、取組を進めています。  さらに、コロナ禍でも必要な受診や健診まで控えないよう、「ためらわないで!受診・健診」をテーマとして、メッセージ動画などを作成し、県民の皆様への周知に努めています。  一方で、新型コロナの感染拡大で、糖尿病などの基礎疾患のリスクが明確となり、未病改善を自分ごと化して取り組むことが一層重要になってきています。  口腔の健康についても、県民の皆様に意識を高めてもらえるよう、継続的に必要な情報を発信していく必要があります。  そこで、県では、定期的な歯科受診や口腔ケアの必要性、口腔の健康維持の重要性などについて、ホームページなどを充実させ、普及啓発を進めるとともに、関係団体と連携した周知にも努めていきます。  今後とも、こうした取組により、歯と口腔の健康への意識の向上を図り、県民の皆様が健康で生き生きと暮らせる神奈川の実現を目指してまいります。  最後に、ローカル5G実証環境を活用した中小企業支援についてお尋ねがありました。  5Gは、今までの4Gと比べて、大量のデータを高速で収集し、より多くの端末を同時に制御できることから、中小企業におけるDXや生産の効率化を進める上で、大きな役割を果たすことができます。  そこで、県では、県内企業における5Gの活用を支援するため、昨年度、県立産業技術総合研究所─KISTECにローカル5G実証環境を整備しました。  今後、このローカル5G実証環境を県内中小企業に活用してもらい、例えば、超高速での遠隔モニタリングや多数の機器制御といった5Gの特徴を生かして、工場等の生産性向上につなげていただきたいと考えています。  一方、多くの中小企業からは、ローカル5Gで何ができるのかよく分からない、社内に5Gに詳しい人材がいないといった声が寄せられています。  そこで、まずは中小企業にローカル5Gで何ができるのかを理解してもらうため、KISTEC内にある工作機械や開発装置等を5Gで接続し、遠隔での監視や制御などのデモンストレーションを実施していきます。また、最新のローカル5Gと従来の通信環境をそれぞれ試してもらうことで、自社に適した設備の選択を支援していきます。  さらには、中小企業の現場におけるローカル5G人材を育成するため、5Gを活用したIoT技術に関する実践的な研修講座も実施していきます。  こうした取組を通じて、中小企業におけるローカル5Gの活用による生産性の向上を図り、その成長をしっかりと支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(野田久義)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 野田産業労働局長。 ◎産業労働局長(野田久義) 産業労働局関係の御質問にお答えします。  コロナの影響を受けた商店街支援についてお尋ねがありました。  商店街は日々の買物の場であるとともに、祭りや伝統行事の継承を支える活動や、防犯・防災、高齢者の見守り等の拠点となっており、まさに地域コミュニティーの核として重要な役割を果たしています。  また、コロナ禍で外出自粛が続く中、近所で生活必需品の買物ができる商店街が見直されている一方、多くの商店街で客足や売上げが減少し、非常に厳しい状況にあります。  そこで、県は、コロナ禍の商店街を支援するため、各店舗に設置する消毒液等の購入費用や販路拡大のためのホームページやチラシの作成費用を補助してきました。  今後は、ワクチン接種が進む中で、それぞれの商店街が適切な感染防止対策を講じるとともに、商店街自らが行う活気を取り戻す取組に対して、県が積極的に支援していくことが重要です。  そこで、今後の感染状況に応じて、商店街が独自に実施するプレミアム商品券発行事業に対し、県が速やかに補助できるよう、現在、商店街からの相談を受け付け、必要に応じて専門家を派遣しています。  また、感染防止を図りながら、個々の店舗への需要を創出するため、消費者がキャッシュレスで買物をした際にポイントを還元する「かながわPay事業」についても、今後の感染状況に応じて開始を検討していきます。  さらに、Withコロナ、アフターコロナを見据えて、商店街に経営等の専門家を派遣し、継続的に助言を行い、きめ細かくサポートしていきます。  こうした取組により、今後も商店街の活性化を図り、地域コミュニティーの核として重要な役割を果たしていけるよう、県としてしっかり支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  特定動物の管理についてお尋ねがありました。  ワニや毒ヘビなどの特定動物は、人の生命、身体または財産に害を加えるおそれがある動物で、飼育には許可が必要であり、基準に適合した施設で、適正な飼育を行うことが義務づけられています。  このような特定動物が飼育施設から逃げ出すことがないよう、県としても、特定動物の飼育に係る指導をしっかりと行うことが重要と考えています。  まず、逃げ出すことを防止するための取組についてです。  県では、特定動物の飼育許可施設に定期的に立ち入り、施設基準が遵守されているか、また、適正に飼育されているかを確認し、不備があれば改善指導を行っています。  さらに、横浜市内のヘビの事例を受けて、県所管域の特定動物の飼い主に、電話による緊急調査を行い、飼育施設の状況や適正な飼育が行われていることを確認するとともに、改めて注意喚起を行いました。  次に、逃げ出した際の対応についてです。  動物愛護管理条例では、飼い主は責任を持って捕獲するとともに、関係機関への通報及び周辺住民への周知を行わなければならないと規定しています。  県では、飼い主から通報を受けた場合には、飼い主に捕獲等に係る助言を行い、早期の捕獲を促すとともに、警察等の関係機関とも情報共有を図ります。  今後も、特定動物による危害防止のため、飼育管理に係る飼い主への指導を徹底するとともに、万が一、逃げ出した際には適切に対応することで、引き続き県民の皆様の安全確保を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔原 聡祐議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 原聡祐君。  〔原 聡祐議員登壇〕 ◆原聡祐議員 知事並びに産業労働局長健康医療局長、御答弁を頂きまして、誠にありがとうございました。  それでは、1点だけ、再質問をさせていただきます。  東京2020大会の事前キャンプについてでありますけれども、先ほど、県立スポーツセンターにもパラリンピック関係の方々の事前キャンプがあったということでありましたが、私も今回、テレビで観戦をさせていただきました。水泳や陸上、格闘技、非常にパラリンピアンが活躍をされて、すばらしい技や日頃からの練習の成果を見せていただいたところでありますし、また、ボッチャですとか、ゴールボールなどというのは、ボールが転がってくる音だけでゴールに入ってくるボールを防いだりとか、今まで知らなかったスポーツもあったところでありましたけれども、そこで、ぜひこの盛り上がりを本県のパラスポーツの普及、推進につなげていくべきではないかと考えておりますが、知事の見解をお聞かせください。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県では、2015年1月に、かながわパラスポーツ推進宣言といったものを発表いたしまして、パラスポーツの普及に努めてまいりました。  この宣言は、残された機能を最大限に生かして、限界に挑むパラリンピアンから、体を動かすノウハウなどを学んで、誰もが高齢化等に伴って運動機能が衰えていく中でも、日常生活を楽しめる、そんな社会の実現を目指していく、そんな思いを込めたものであります。  今回のパラリンピック大会を通じて、多くのパラリンピアンの諦めない姿やすばらしいパフォーマンスから、心に響くメッセージをみんな受け取ったというふうに思います。  県では、こうした機運の高まりをしっかりと受け止め、昨年設立しました神奈川県障がい者スポーツ協会や関係団体、市町村等と連携して、パラスポーツをみんなで楽しめる環境づくりに一層、力を注いでまいりたいというふうに思っています。  答弁は以上です。  〔原 聡祐議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 原聡祐君。  〔原 聡祐議員登壇〕 ◆原聡祐議員 知事、再答弁ありがとうございました。  それでは、何点か要望させていただきます。  まず、東京2020大会の事前キャンプについてでありますけれども、東京2020大会聖火リレーは公道を走ることができませんでしたし、また、ライブサイトなどの無観客、競技自体も無観客ということがありましたので、神奈川県にとって大きな財産というのは、事前キャンプのノウハウだったと思います。  このコロナが収束して、また今後、国際大会が開かれるときですとか、そういったときのいい教訓にしていただきたいと思っておりますし、再答弁でもお答えを頂きました、パラスポーツの普及にも力を入れていただきたいと思っております。  また、事前キャンプの実施国とは、今後とも、より交流を深めていっていただけるように要望させていただきます。  要望の2点目でありますけれども、医療従事者等の新型コロナワクチンの優先接種についてでありますが、今回の接種で踏まえた課題をしっかりと捉えていただいて、命の危機に直面する方々、危機回避に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  優先順位をつけていくことは非常に困難なことだと思っておりますし、これから始まる、また始まるのかどうか、詳細が決まっていないということでありましたけれども、ブースター接種のときには、しっかりとやっていっていただきたいのと、またコロナだけではなくて、今後もし、このような感染症が起こってしまえば、しっかりとした、そうした必要があると思っておりますので、よりスピード感を持って、今後の対応をお願いしたいと思います。  そして、災害発生時の救助・支援体制についてでありますけれども、首都直下地震も懸念されている中で、近年は気候変動の影響もあり、台風も大型化をしております。また昨日も台風が発生しておりますけれども、我々はその危機に目を向けなければならないと思います。  もしもの際には迅速に対応していただけるよう要望を申し上げまして、私の質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時53分 休憩        ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029082-質問・答弁-田中信次議員-一般質問①県の形を活用した広報について②県職員のスキルの一層の活用について③高等教育の修学支援新制度について④災害時のスマートフォン等の電源確保について⑤外来植物対策について⑥観光農業の支援について⑦コロナ禍において最低賃金改定の影響を受ける中小企業への支援について》                   午後3時15分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共58名 ○議長(小島健一) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 質問を続行いたします。  田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕(拍手) ◆田中信次議員 私は、自民党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びにくらし安全防災局長環境農政局長産業労働局長におかれましては、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、県の形を活用した広報についてであります。  知事は、就任以来、県の政策を県民の皆さんに知っていただくことの重要性を訴え、伝わる広報の実現を目指し、広報に大変力を入れてきたと私は感じております。  広報では、いかに伝わりやすく情報発信ができるかが鍵となるため、県でも、発信力を高める手法として、例えば、広報紙や封筒に県の鳥、カモメのデザインを用いるなど、かながわの魅力を活用して、一目で神奈川のものであるというPRができるよう広報に取り組んできたことは承知しております。  私も、県に関わる様々な事象を用いて、魅力を感じていただきながら、情報を提供することは、有用な広報手段の一つと考えております。  以前、子供と食料品を買物に行ったとき、特売の牛乳を買おうと手を伸ばしたところ、「パパ、違う、北海道の」と言われ、隣の北海道牛乳を購入したことがありました。帰宅し、ふと文字も読めない幼児がなぜ北海道だと分かったのか疑問に思いました。子供に尋ねたところ、北海道の形、シルエットが描かれているため、認識できたということが分かりました。  子供にも印象深く残るのは、北海道の形が自然の曲線で美しく特徴的な形をして魅力的であることが結びついたためと受け止めています。また、30円高くても買ってしまったのですが、シルエットがあることで、おいしそうに見え、多少高くてもよいと思わせる付加価値は見逃せません。  一方、神奈川県の形も、川崎、横浜、横須賀の港ライン、相模湾、湘南が織りなす海岸線の曲線美、箱根、丹沢の尾根を伝う雄大な山の線、相模原の境川、そして運命のいたずら、町田の食い込みと、とても美しい形をしており、北海道に引けを取らない魅力があると私は思いますが、まだまだ認知度は高くないと感じております。  私は、地理学を専攻していたこともあり、神奈川県の形は特に魅力があるものと思っています。そのような魅力のある県の形のシルエットを、そのまま県民の皆様に活用してもらうことで、県のイメージや認知度が向上し、伝わる広報の実現につながっていく余地があるものと考えます。  そこで、知事に伺います。  県の形を活用した広報について、現在の県の取組状況をどのように捉えているのか、また、今後どのように進めていこうと考えているのか、併せて見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、県職員のスキルの一層の活用についてであります。  県では、働き方改革に対する職員の意識を高めるため、7月から、職員向けポータルサイトを一新したと承知しております。中でも、働き方改革をテーマとした4こま漫画の掲載を開始したところ、これが好評を博していると聞いております。  国や自治体の職員向けに配信されているニュースサイトでも、この件が取り上げられ、アクセスランキングの上位に長くとどまり、複数の自治体から問合せが寄せられるなど、全国的にも反響があったとのことであります。  私も掲載された4こま漫画を拝見いたしましたが、イソップ寓話や時代劇をモチーフとした作品のほか、ギャグ漫画調の作品など、毎回、新鮮味のあるものとなっておりました。  職員が、ストーリー、作画とも自前で対応しているそうですが、こうした特技や資格を持つ職員は、ほかにもたくさんいるのではないでしょうか。こうした活躍が、県庁組織の活性化や県民サービスの向上につながるのではないかとの思いを強くしたところであります。  そこで、当局に確認したところ、総務局では、平成5年度から、外国語やスポーツの指導員など、職員の特技や資格情報を登録する「いきいき職員データベース」という一覧を作成していることが分かりました。  しかしながら、登録者数は全庁でもここ数年、30名前後にとどまり、活用実績のない職員もいるようであります。また、今回の漫画の作者は登録されていないということで、お聞きしております。  自分の特技や資格、言い換えればスキルを仕事で生かしたいかどうかは、それぞれの職員の気持ち次第ではありますが、登録者30名前後という現状を見ると、この取組が職員に十分知られておらず、埋もれた才能が少なからずあるのではと想定しております。  今回取り上げた4こま漫画のように、職員が自分のスキルを楽しみながら仕事に生かす取組は、働き方改革を推進する上でも有効であると思います。また、県には面白い人がいるらしい、県に入ると自分のスキルを仕事に生かすことができるらしいという良い評判が広まることにより、多様な人材の獲得につながることも期待されます。  さらには、漫画、デザイン、動画、語学力など、職員の多様なスキルを活用して、県としての広報、発信力や災害対応力の強化も可能であると考えます。  そこで、知事に伺います。  働き方改革を推進していくため、仕事に生かせる様々なスキルを持つ職員を幅広く掘り起こし、活躍の機会を与えていくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、高等教育の修学支援新制度についてであります。  新型コロナウイルスの影響により、家計は非常に厳しい状況が続いており、今後さらに深刻さを増していくことが想定されます。  そうした中、家庭の経済的な影響により、大学や専門学校に行きたくても行かれなくなり、それが子供たちの将来の夢や希望を奪うことにつながってはなりません。厳しい状況下にあっても、子供たちが経済的な事情で進学を諦めることのないよう、安心して学ぶことのできる環境整備をしっかりと行っていくことが重要であります。  高等教育の修学支援新制度は、大学や専門学校に通う学生への経済的支援を行うもので、消費税引上げによる増収分を財源とする高等教育の無償化を具体化し、経済的に厳しい状況にある学生が進学や修学を断念することのないよう、国の支援策として昨年の4月からスタートした制度でございます。  大学は国が所管していますが、県では所轄庁として、専門学校に通う学生を対象として、授業料等の減免に対して一定額の負担を行っていることは承知しております。  このコロナ禍においては、看護医療や介護福祉など様々な分野にわたる実践的な職業教育を担う専門学校の果たす役割がますます大きくなりますので、そこに通う学生に対して、初めて本格的な支援制度が始まったことは大変意義深く、期待するところであります。  しかし、利用者の声を聞くと、制度の仕組がよく分からない、制度そのものを知らなかったという話もあり、支援を必要とする方々に情報が十分伝わっていないのではないかと懸念するところであります。  また、本制度は、支援の対象範囲を年収約380万円未満の世帯に限定するなど、コロナ禍でアルバイトができず、経済的に困窮している学生の状況を考えると、改善すべき課題があると認識しております。  こうしたことから、真に支援を必要とする方々にきちんと本制度の情報が行き届くようにすることや、多くの学生が本制度を利用できるよう、さらに支援の対象を拡充するなど、より一層の取組が必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  制度開始から2年目を迎えた高等教育の修学支援新制度について、県として、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、災害時のスマートフォン等の電源確保についてであります。  地震、台風、暴風雨、大雪などの災害が起こると、送電線の切断や発電所・変電所の設備故障など、停電が発生しやすい状況になります。一度停電が起こると、復旧までにかなりの時間を要します。  令和元年9月の関東地方を直撃した台風15号、令和元年房総半島台風では、千葉県で大規模な停電が発生し、被害は約64万軒に及び、そのうち約2,300軒では2週間もの間、復旧のめどが立たない状況でありました。  その前年ですが、平成30年9月には、北海道胆振東部で震度7の地震が発生し、約295万戸が停電する日本初のブラックアウトが発生し、復旧まで45時間かかり、ライフラインの断絶により、交通機関や医療機関が麻痺するなど深刻な被害がもたらされて、日本全国に大きな衝撃を与えました。  社会生活のほとんどが電気によって支えられている現在、一日でもその恩恵を受けられなくなれば大きな不便を感じることになります。照明をともせないことによる暗闇での生活や、スマホやパソコンなどのバッテリーが切れて使えなくなる事態が続出します。  特に、スマートフォンや携帯電話が情報収集の主要なツールとなる中で、スマートフォンなどが使えなくなると、災害時の情報収集や家族の安否確認などができなくなります。情報が得られなくなったことで、不安になった住民が避難所や公共施設などに殺到するという可能性が出てくるのではないでしょうか。  北海道胆振東部地震では、非常用電源を備えている市役所などの公共施設で充電待ちの長い列ができました。今のコロナ禍においては、密を避ける意味でも、また市役所等の負担軽減のためにも、このような状況は回避しなければなりません。  そのような中、報道によると、非常時に、より日常に近い生活を行うため、生活家電を動かせる出力を持つ大容量の非常用電源を所有する人が増加中であると言います。また、私の地元、横浜市泉区では、農業トラクターを非常用電源に考えている住民もおります。電気のある生活を止めないための電源確保は必須だと思います。  中でも、スマートフォンや携帯電話の非常時の電源確保は、他の生活家電以上に重要であり、各個人が自助の観点からモバイルバッテリーを常備するよう呼びかけておく必要もあり、町なかで不測の事態があった場合には、どのように電力を手に入れることができるかといった情報提供も必要であると考えております。  そこで、くらし安全防災局長に伺います。  災害時のスマートフォンや携帯電話の電源を、県民自らの力で確保できるよう、県としても自助の向上や共助の発展に向けた情報提供を行っていく必要があると考えますが、くらし安全防災局長の見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、外来植物対策についてであります。  これまで、外来生物による被害と言えば、本県で問題となっているアライグマやタイワンリス、また、全国的にはカミツキガメやブラックバスなどがあり、さらには、身近なペットとして飼育されているアメリカザリガニやアカミミガメを特定外来生物に指定する検討を環境省が進めているといったことが知られております。  そうした中、ナガエツルノゲイトウという、あまり耳にしたことがない水生の外来植物が大量繁殖し、滋賀県の琵琶湖では船舶の航行等に影響を及ぼし、その除去に毎年億単位の予算を投じてきているといった報道を目にいたしました。  また、すぐ隣の千葉県でも、同種の繁殖が問題となっており、治水施設や農業用水の施設等で管理に支障を来している状況にあると聞いております。  平成30年に公表された神奈川県植物誌2018によれば、本県においても、ナガエツルノゲイトウの生息が確認されていますが、現在のところは、主に相模川周辺など、エリアが限られていると承知しております。  しかしながら、アライグマやタイワンリスなどの動物とは異なり、ナガエツルノゲイトウなどの植物は、その存在すらがなかなか認識されないものが多いと聞きます。そのため、例えば、日頃の草刈りなどで刈り取った草を清掃車やトラックで運搬する過程で、種や茎を散乱してしまったり、また、運んだ先でそのまま放置することによって、そこに根づいてしまうなど、外来植物の繁殖を助長する結果になってしまうのではないかと懸念しております。  このように、外来植物は人知れずひっそりと生息し、一旦大量繁殖してしまえば、生態系への影響だけでなく、滋賀県などのように、それを除去するための多額の費用が必要になるおそれもあり、本県においても、そうなる前にできるだけ対策を講じる必要があるのではないかと考えます。  そこで、環境農政局長に伺います。  大量繁殖による被害が懸念される外来植物への対策について、本県ではどのように取り組んでいこうと考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、観光農業の支援についてであります。  観光に対する人々の消費対象が、商品の所有に価値を見いだす、モノの消費から、商品・サービスによって得られる経験を楽しむ、コトの消費にシフトしている中で、農業においても、収穫体験農園などの観光農業が、農家の新たな収入源や地域の優良な観光コンテンツとして全国各地で展開されてきております。  県内でも、横浜、相模原のイチゴやブルーベリーの摘み取り、県西地域のミカンのオーナー制、川崎、厚木などのナシのもぎ取りなどといった収穫体験農園があり、来園客の入園料収入などで、農作物の市場への出荷に比べても高い収益を得ており、中でもイチゴの観光摘み取り園は、県内で多く取り組まれていると聞いております。  イチゴの生産が盛んな栃木県では、令和3年度から県の農業大学校にいちご学科のコースを新たに設置し、経営に欠かすことのできない経営技術や高付加価値化などをテーマとするゼミナール形式の授業を受けることで、卒業後すぐにイチゴ経営を始められる実践力を習得する、イチゴに特化した課程を創設していると聞いております。  私の地元である横浜市泉区でも、周辺に住んでいる市民や観光客を対象にした、イチゴなどの摘み取り農園に取り組む農家が増えてきており、都市近郊である地域のメリットを活用して多くの来園客を呼び込み、楽しんでいただくことで、都市における農業の必要性などの農業理解促進にもつながっていると感じております。  また、収穫体験農園などの観光農業は、本県において農業経営を発展させていくために、導入すべき経営手法の一つであり、その手法を習得するための県の支援も重要と考えております。  県において、かながわ農業活性化指針の県民ニーズに応じた農畜産物の生産と利用の促進を位置づけた施策の方向において、新たな付加価値を生み出すため、観光農業の取組を支援していくとしております。  そこで、環境農政局長に伺います。  収穫体験農園などの観光農業に取り組む農業者に対して、県としてどのように支援していくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、コロナ禍において最低賃金改定の影響を受ける中小企業への支援についてであります。  コロナ禍はまだまだ収束の兆しが見えず、飲食業、宿泊業、サービス業など、人流が売上げを左右する業種を中心に、依然として厳しい経営状況にあります。  そうした中、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会は、7月に、令和3年度の最低賃金を全国平均で28円を目安に引き上げるよう答申いたしました。  また、神奈川労働局は、神奈川地方最低賃金審議会の答申を受け、神奈川県最低賃金の地域別最低賃金を、現行の時間額1,012円から28円引き上げて1,040円に改正することを8月20日に決定し、この10月1日から発効することとなりました。  最低賃金をめぐっては、全国平均で年3%の引上げ目標を掲げ、平成28年度から令和元年度にかけては年3%程度の上昇が続いていましたが、令和2年度は、コロナの影響もあり、結果的に上げ幅は0.1%、1円にとどまりました。しかし、今回は、再び2.77%の上昇となり、コロナ前の水準に戻った形であります。  最低賃金の引上げは、労働者側から見れば所得の上昇につながる一方で、経営者側から見れば、人件費の増加、ひいては利益圧迫につながります。  この点、国や県の審議会においても、コロナ禍における大幅な引上げに断固反対する意見があり、採決に当たって、委員の賛成・反対が割れるという極めて異例の決着になったことについては、留意する必要があります。  すなわち、最低賃金に関するルールが決定した以上、経営者はこのルールを遵守して労働者を雇用していく必要があることは当然でありますが、今後もこのようなペースで最低賃金の急上昇が続けば、多くの中小企業にとって、負担が重くのしかかってくることが予想されます。  まして、長引くコロナ禍で体力的に限界を迎えつつある中小企業にとっては、さらなる追い打ちとなり、事業継続を諦めてしまうのではないかと懸念しております。  そこで、産業労働局長に伺います。  コロナ禍において最低賃金の改定の影響を受ける中小企業への支援について、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 田中議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県の形を活用した広報についてお尋ねがありました。  パンフレットやチラシなどで県民の皆様にお伝えしたいことをしっかりと伝えるには、印刷物に魅力を感じていただき、手に取って分かりやすいと感じていただくことが重要であります。  そのため、私は知事就任以来、伝わる広報の実現を目指して、印刷物のデザインなどの改善を日常からきめ細かく指示してきました。  県の形の広報への活用ですが、これまで県のたよりや企業誘致パンフレットの表紙などに採用しています。また、県では、施策や事業ごとに様々なマークを作成していますが、県との関わりを分かりやすく伝えるため、県の形をデザインに取り入れているものもあります。  しかしながら、議員御指摘のような、県の形の美しさ、これは私自身、今まであまり意識していませんでした。そこで、改めてこの県の形に着目すると、神奈川県は、おしゃれなかわいい犬にも見えるなど、県の形自体に魅力があるということに気づきました。  今後は、県の形をより多くの皆様に様々な用途で活用していただくことで、県の認知度を高め、県のイメージの向上につなげていきます。  そこで、県のホームページで、県の形のシルエットを無償でダウンロードできるようにし、どなたでも自由に使っていただけるようにします。  こうした新たな取組も含め、県の形の魅力を生かしながら、伝わる広報の実現を目指してまいります。  次に、県職員のスキルの一層の活用についてお尋ねがありました。  職員が自らのスキルを生かして働くことは、笑顔あふれる県庁を生み出し、県民サービスの向上にもつながると認識しています。  県では、平成5年度から自己啓発意欲の向上を図り、多様化する行政需要に柔軟に対応することを目的に、特技や資格を有する職員を登録する「いきいき職員データベース」の取組を行ってきました。  最近では、護岸崩落現場の撮影のためのドローン操縦や、各種行事の司会など、登録された職員が活躍した事例もあります。  しかし、当初は250名もの職員が自薦、他薦により、このデータベースに登録していましたが、時間の経過とともに、残念ながら登録者数も、活躍の機会も減少しています。  そこで、今後改めて登録を呼びかけるため、このデータベースをリニューアルします。まず、名称を(仮称)職員タレントブックと一新いたします。その上で、例えば工事車両やフォークリフトの操作といった災害時に役立つ資格や、ユーチューブやインスタグラムなどのSNSを活用する特技、さらにイラストが得意、鉄道に詳しいといった、趣味の分野など、例示をしながら、幅広く登録を呼びかけます。  また、特技や資格を生かして活躍した事例を、働き方改革のポータルサイトで積極的に紹介するなど、登録された職員の意欲を高められるよう工夫するほか、同じ趣味を持つ職員同士の交流にも役立てていきます。  さらには、実際に活動し、県政に貢献した実績については、直接担当している業務でなくても、適切に評価に反映できる扱いとするなど、職員にもメリットがある環境を整えます。  職員が自らのスキルを存分に発揮し、互いにリスペクトできる関係をつくっていくことにより、多様な人材が活躍する県庁づくりを進め、人材確保や県政の発信力の強化にしっかりとつなげてまいります。  最後に、高等教育の修学支援新制度についてお尋ねがありました。  子供たちが、家庭の経済状況にかかわらず、希望する進路に進み、学び続けることのできる環境づくりは大変重要です。  高等教育の修学支援新制度は、経済的理由で大学や専門学校での学びを断念することがないよう、学生に対して、授業料等の減免や奨学金の給付を行う制度です。  県は、年収約380万円未満世帯の学生を対象に、授業料や入学金の減免を行う専門学校に対して、その費用を負担金として交付しています。令和2年度には県内54校の専門学校に負担金を交付し、約1,500人の学生に対して、授業料等の減免を行うなど、学費負担が制約となっている学生が安心して学べる環境整備に取り組んでいます。  しかしながら、長期化するコロナ禍において、経済情勢は厳しくなり、大学や専門学校で学ぶことが困難となる学生の増加が懸念されています。  また、本制度は令和2年度に新設されたもので、まだ十分に、学生に浸透していないという指摘もあります。このため、より多くの学生が十分な経済的支援を受けられるよう、対象となる世帯の拡充や1人当たりの補助額の増額などを国に要望していきます。  また、この制度の積極的な活用を促すため、在学中の学生に対しては、県内の大学や専門学校を通じて改めて周知を図ります。  さらに、これから進学を考えている生徒に対しては、私立高校や教育委員会と連携して、進路指導の担当者から生徒一人一人にチラシを配付するなど、さらなる制度の周知に努めていきます。  こうした取組により、学生一人一人が経済的理由で学びを諦めることなく、本人が希望する進路に進めるよう、今後とも、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔くらし安全防災局長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 花田くらし安全防災局長。 ◎くらし安全防災局長(花田忠雄) くらし安全防災局関係の御質問にお答えします。  災害時のスマートフォン等の電源確保についてお尋ねがありました。  最も身近な情報機器であるスマートフォンや携帯電話は、災害時に家族や知人などの安否確認に加え、国や自治体から発信される被害や避難に関する正確な情報を知ることができる重要な手段です。  そのため、災害時にスマートフォン等を確実に利用できるよう、日頃から県民の皆様に、その充電手段の確保について啓発することは、自助を促進する観点からも大切です。  そこで、県は、毎年作成しているポケットサイズの「かながわけんみん防災カード」に、災害時の非常持ち出し品の一つとして携帯用バッテリーを明記し、県民の皆様に、その準備を啓発しています。  また、市町村の災害対策の指針となる県の地域防災計画で、食料、飲料水など、具体的に示している備蓄品に、新たにスマートフォン等のバッテリーを追加し、市町村における啓発の取組を促進します。  さらに、災害時に充電手段を持たない方に対して、地域で助け合う共助を促進するため、自治会等の防災倉庫に発電機や充電器等を備蓄する市町村の取組に対して、県は財政支援を行っています。  加えて、県は昨年7月に、電力事業者と災害時における停電復旧の連携等に関する協定を締結し、電力の早期回復に向けた体制を整えています。  県としては、今後もこうした取組を通じて、災害時におけるスマートフォン等の電源確保について、県民の皆様の自助、共助を促進する取組をしっかりと進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の御質問にお答えします。  外来植物対策についてお尋ねがありました。  環境省では、国内で確認されている外来生物のうち、生態系や人の生命、身体、農林水産業などへの影響が特に大きいものを特定外来生物として指定しており、令和2年11月現在、植物は19種指定されています。  本県では、これらの特定外来生物である植物のうち、ナガエツルノゲイトウを含む7種の生息が確認されています。  こうした外来植物は、在来種を駆逐してしまうだけでなく、高い繁殖力から、河川や水路の水流を阻害したり、水田にも侵入して雑草となり、農業被害を及ぼすおそれがあります。  そのため、外来植物による被害を未然に防ぐためには、県内にはどういう種が生息し、どのようなことに注意しなくてはならないのかなどを、多くの県民や河川・水路の管理者等に知ってもらうことが重要です。  県では、こうした外来植物等に対する正しい理解と関心を高めてもらうために、平成30年度から県民参加による「かながわ生きもの調査」を実施し、里山に生息する在来種や外来種の分布及び生息状況を把握しています。  そこで、今後は、この調査を河川や池などの水辺の生き物にも広げて実施し、ナガエツルノゲイトウなど、水性の外来植物も調査対象とすることで、県民からの情報収集や外来植物への関心をさらに高めていきます。  また、県のホームページ等を活用し、この調査で得られた情報や防除方法等の情報を発信し、県民への意識啓発や注意喚起につなげるとともに、河川・水路の管理者等に、日頃の管理に役立ててもらえるよう情報提供していきます。  こうした取組を通じ、県民や関係機関等と連携しながら、特定外来生物である植物の大量繁殖による被害の未然防止に努めてまいります。  次に、観光農業の支援についてお尋ねがありました。  県内で収穫体験農園など、観光農業に取り組む農家は、令和2年で238戸あり、こうした観光農業は農家の収益の向上とともに、地産地消にもつながることから、その取組を支援していく必要があります。  そこで、かながわ農業アカデミーでは、観光農業を志向する学生に対し、サツマイモやブドウなどの収穫体験販売の実習や観光農園への派遣研修を実施しています。  また、県内の観光イチゴ農園で近年増えている、腰の高さで栽培し、摘み取りも楽にできる栽培方法を習得するためのハウスを農業アカデミー内に導入して、観光農業の基礎を学べるよう支援しています。  さらに、就農後は、県農業技術センターの普及指導員が栽培技術の指導のほか、規模に応じた経営指導や、国や県の補助金を活用したハウスの増設などの支援を行っています。  一方、観光農園は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出自粛や観光客減少の影響を受けていますが、コロナの収束後に向けて、経営の安定化や、観光旅行の需要回復に対応した魅力ある収穫体験農園の取組を進めていく必要があります。  そこで、農業技術センターが作成している作物ごとに必要な機械装備、資材、年間労働時間などが分かる標準的な経営の指標を活用し、普及指導員が観光農園に新たに取り組む農家や経営改善を目指す農家の課題を見える化して、経営の安定化が図れるよう指導していきます。  また、観光農園での魅力アップにもつながるナシやブドウ、イチゴなどの新たな品種の選定や育成に取り組み、県内の農家に普及をしていきます。  こうした取組により、収穫体験農園などの観光農業を促進し、農家の新たな付加価値と収益の向上を図ってまいります。  私からの答弁は以上です。  〔産業労働局長(野田久義)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 野田産業労働局長。 ◎産業労働局長(野田久義) 産業労働局関係の御質問にお答えします。  コロナ禍において最低賃金改定の影響を受ける中小企業への支援についてお尋ねがありました。  最低賃金の引上げは、労働者側から見れば、労働条件の改善や労働者の生活の安定等に寄与する一方で、企業の経営者側からすれば、人件費の増加によって経営が圧迫されるという可能性もあります。  また、弱い立場にある中小企業が、大企業との取引において、最低賃金の引上げによる人件費の増加を取引価格に転嫁できなければ、事業継続に支障を来す要因となります。  そこで、コロナ禍で収益力が低下した中小企業が、業務改善や新たな事業展開を着実に実行し、賃金上昇を吸収できる体力を高めるとともに、公正な取引を行える環境を整備していく必要があります。  このため、国では、中小企業が生産性向上のための設備投資を行い、その事業所内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備費用の一部を助成する制度などを設けています。  また、県は、中小企業等が新たな商品やサービスの開発など、新規事業に取り組むための経営革新計画の策定を支援し、国や県の様々な補助金等を活用できるよう、後押ししています。  さらに、中小企業が生産性向上のため、例えば従来の自動車部品の生産専業から、新たに医療機器の製造にも乗り出すなど、ビジネスモデルの転換を図る際に、その経費を補助しており、昨年度と今年度合わせて約450社を支援しています。  今後は、こうした企業の新規事業が軌道に乗っているかどうか、フォローアップしていくことが重要ですので、継続的な支援のために、中小企業診断士等を派遣していくことを検討します。  また、県内大企業に対して、中小企業との取引に当たっては、最低賃金の引上げを反映した適正な取引価格とするよう、県として要請していきます。  こうした取組により、コロナ禍において、最低賃金改定の影響を受ける中小企業をしっかりと支援してまいります。  答弁は以上でございます。  〔田中信次議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕 ◆田中信次議員 知事並びにくらし安全防災局長環境農政局長産業労働局長におかれましては、御答弁ありがとうございました。  それでは、再質問させていただきます。  観光農業の支援についての再質問をさせていただきたいのですが、新型コロナウイルス感染症が収束する気配の見られない中で、イチゴなどの観光農園は、観光客などの減少の影響を受けていると思われますが、県として、それらの観光農園に対しては、どのような支援を行っていくのか、見解を伺います。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の再質問にお答えします。  外出自粛などにより、来園者数が減少した観光農園に対しては、コロナ感染防止対策の優良事例を紹介するとともに、JA直売所などへの生産物の販売先の拡大を助言するなどの支援をしています。  なお、コロナ禍の影響により、売上げが50%以上減少した事業者に対する支援策である国の月次支援金や県の中小企業等支援給付金については、観光農園経営も対象になりますので、引き続き周知に努めてまいります。  答弁は以上です。  〔田中信次議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 田中信次君。  〔田中信次議員登壇〕 ◆田中信次議員 環境農政局長、再質問の答弁ありがとうございます。  それでは、時間の許す限り、何点か意見、要望を述べていきたいと思います。  まず、県の形を活用した広報についてです。  県の形を活用することは、基本に忠実な王道の広報戦略だと思っております。最近では著作権の問題で、デザインが似ているという理由だけでも厳しい処置が下される場合もあり、民間では何か効果的な広報をしたいと願っても、不測の事態へのリスクを伴いがちです。その点、県の形は公共物でありますし、利用しやすいデザインではないかと思います。  県としても、神奈川県の形の認知度を向上させることで、付加価値を高め、先ほど多くの方にホームページで公開しますということで、著作権フリー等で安心して御利用いただけるよう配慮するというのは、県民の自由な発想をかき立てて、様々な側面支援につながります。  また、県の形は大学や研究機関の図としての利用や、会社や行政での資料作成にも使われることから、デザインだけでなく、様々なニーズがあると予想されます。需要の声を広く集め、県としても多くの方々に利用いただくことが、さらに認知度向上につながる点も踏まえて、ぜひさらに検討いただけますよう要望を申し上げます。  次に、県職員のスキルの一層の活用についてです。  これまでの取組を改善、発展させて、職員のスキルを一層活用していくということで、大変前向きな答弁でございました。タレントブックという、仮称ではありますけれども、大変面白い名前もついていますので、期待しております。  一方では、好きが高じて熱中するあまり、自宅などでついつい長時間作業してしまうという弊害も考えられますので、勤務時間の管理についてはしっかりと把握するよう、お願いしておきます。  また、これまでに私が質問し、実現していただきました職員の兼業の緩和ともクロスさせて、神奈川県庁で働くことの魅力をPRし、県として発信力を高めていただきますよう、改めて要望を申し上げます。  次に、高等教育の修学支援新制度についてでございます。  教育において、誰でも平等にチャレンジできる機会があることは極めて重要です。この制度は経済的な理由で断念してしまうことがないよう配慮できる、非常に優れた制度だと思いますので、公立高校・私立高校、分け隔てなく、教師、生徒、保護者等に確実にお知らせするよう要望いたします。  また、専門学校教育に適用される初めての制度ということでもありますから、認知度は低いと思われますので、専門学校を進路とする生徒への進路指導などの場で、確実にアプローチをいただくよう要望いたします。  次に、災害時のスマートフォン等の電源確保についてです。  災害時の行政は、命の危険度が高いものから行わなければならない厳しい判断状況に置かれます。スマホの充電は命の直接的な危険性から考えると、緊急性は低いのですが、安否情報や情報収集を考えると非常に重要です。だからと言って、充電で行政の人間を何人も対応に取られてしまう状況は、できるだけ避けねばならないと考えます。  日頃から、県が緊急時のスマホ等の充電への情報発信を行っていただければ、県民の混乱を防ぐこともできると思います。  例えば、モバイルバッテリーの常備、あるいは車のシガーソケットで充電できるアイテム確保、ノートパソコンからもスマホが充電ができること、町なかでは、今、充電協力してくれる場所などが結構あるということも聞いております。方法論を知れば、混乱が少なくできると思います。  また、県のそういった動きを見て、充電なら災害協力できるかもしれないという会社や団体が現れるかもしれませんし、防災教育で災害時にどうやってスマホを充電しようかというテーマで話し合うことは多くの方に話しやすいテーマで、面白いアイデアが出るかもしれません。  最近では、電動自転車のバッテリーを緊急充電にもできるアダプターというのが人気なようでして、我々の知らない技術も多くございます。ぜひ情報提供の強化をしていただくよう要望を申し上げます。  続きまして、外来植物対策についてであります。  県民の皆さんにいろいろな情報を提供いただく機会を増やすのだということがありました。すごくいいことだなと思っております。  今回、外来植物を調べるために、先ほども紹介した、神奈川県植物誌2018を拝見しました。これが一番中心なのかなと思っていましたけれども、本当に大変有意義だなと思っております。  県としても、予算や、ふるさと納税で、クラウドファンディングの適用などもできるのかと思っていますので、こういった植物誌の側面支援などを考えていただくと助かります。  特定外来生物として全国で駆除されているナガエツルノゲイトウですが、地球上最悪の侵略的植物と報道しているところもございます。  最近では、こういったものを食べてみようと考える人も多く、ユーチューバーを筆頭に挑戦しているようですが、どうやらおいしくはないということでございます。  これは持ち運びが禁止されているものですから、興味本位で自分もという人が出てこないよう、注意喚起も必要かと思っております。  専門家は初動が大事ということを提唱しておりますが、午前中、山口貴裕議員から、相模川の樹林化対策の質問がありました。私も、今は大丈夫という甘い見立てで、今後、膨大な被害と膨大な駆除費用にならないよう、早めの決断も必要かなと思っておりますので、要望を申し上げます。  次に、観光農業の支援についてです。  農地が狭いので生産量的な戦略が取りにくく、固定資産税や相続税なども高い神奈川県では、農業の維持も大変です。  他県を参考にするだけでなく、比べてどんなメリットが生み出せるのかが支援になると考えます。神奈川県は人口が多い地域ですので、多くの方々に楽しんでもらいながら収益を増す政策として観光農業は大変重要な施策と考えます。  コロナ禍ということもあり、既存の観光農園でさえ、プラスの設備投資や予防ノウハウも必要となってきますので、県としてもしっかり支援していただきますよう、要望を申し上げます。  また、コロナ禍の影響でキャンプ需要が高まっているそうで、観光農業の一環でキャンプ場ができないものかと模索する方も増えてきていますので、土地利用のルールもあるとは思うのですが、様々な協力ができるよう、県としても最大限寄り添い、御努力するよう要望を申し上げます。  最後に、コロナ禍において最低賃金改定の影響を受ける中小企業への支援についてでございます。  最低賃金の上昇は、うれしい反面、タイミングを間違えると、中小企業の圧迫にもつながります。コロナ禍の中で、収支の見通しが不明瞭なことは非常に不安感があると思います。  持続可能で健全な経営施策を考えれば、生産性の向上の支援は大変重要ですので、しっかりと中小企業の声を聴きながら、行っていただくよう要望を申し上げます。  また、コロナがさらに収まらず、悪化の状況が続けば、直接補助の支援も必要と考えますので、状況を注視しながら、しっかり対応をお願いしたいと思います。  もう一つございます。  私の泉区では、扶養内で働きたいと希望する方もまだまだ多い地域でございまして、そうしますと、神奈川県では他県と比べて最低賃金が高いにもかかわらず、扶養上限103万円枠は変わらないので、家計は楽にはならないということをよく聞きます。  また、中小企業の方からは、労働時間が減るので、年末のシフトが組みにくいなどもお聞きしております。働くことは苦痛ではありません。やりがい、生きがいも感じます。扶養内の件も、都道府県別で柔軟な対応は必要と考えますので、働き方の多様性のためにも、ぜひ国へ議論するように、意見を申し上げていただきますよう要望を申し上げます。  以上、要望を申し上げまして、私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20210924-029083-質問・答弁-高橋延幸議員-一般質問①県政の諸課題について②県西地域の活性化について》   〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 足柄下郡選出の高橋延幸でございます。  議長のお許しを頂きましたので、自民党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従いまして、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事、県土整備局長警察本部長におかれましては、明確で前向きな御答弁をしていただきますようお願い申し上げます。先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、本日5人目の質問者となり、大変お疲れのことと存じますが、しばらくの間、御清聴くださいますようお願い申し上げます。  また、本日は相模原市緑区選出、山口美津夫議員の補助をお願いいたしております。どうぞよろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、県政の諸課題について、3点お伺いいたします。  まず、定置網漁業の振興についてお伺いいたします。  私の地元、湯河原町が面する相模湾では、定置網漁業を中心に、シラス船引き網や刺し網、一本釣りなど様々な漁業が営まれ、ブリ、アジなどの回遊魚から、アワビ、サザエなど磯根で漁獲される魚介類まで、多様な海の幸に恵まれた良好な漁場です。  しかし、近年、気候変動による海水温の上昇により、海への影響が顕著となってきており、全国的な不漁、回遊魚の分布域の変化、磯焼けの拡大など、漁業を取り巻く環境に様々な変化が起こっております。  本県沿岸においても、定置網の不漁や磯焼けの発生など、沿岸漁業は厳しい環境にあります。  しかし、このような状況でも、養殖の取組では明るい話題もありました。その一つが、真鶴町と地元漁業者が取り組んできたイワガキの養殖です。今年5月に、真鶴の宝という思いを込めて鶴宝というブランドで、ようやく初出荷することができました。  また、一部の漁協では、県産の野菜残渣を餌として、ムラサキウニを養殖する試みをし、地元スーパーや飲食店に出荷することができたとの報道を目にしました。  さらに、昨年度からは、実現すれば全国で初めての取組となる相模湾での大規模外洋養殖の実現に向けた検討を行っていると承知しております。  そして、作り育てる漁業である栽培漁業においても、県の水産技術センターが東日本で初めてクマエビの種苗生産に成功したとの報道がありました。  天然の資源に大きく依存してきた本県の漁業において、新たな養殖の振興は、生産量を回復させるとともに、漁業者の所得向上に寄与するものとして、大いに期待しておりますが、本県の基幹漁業である定置網漁業についても、しっかりと取り組むべきと考えます。  定置網は、その名のとおり、魚が回遊する場所に網を定置して、魚が入るのを待つ漁法です。そのため、設置する場所や向きは、魚の動きを熟知した漁業者の長年の経験に基づいて決められています。  しかし、全国的に回遊魚の分布に変化が見られるように、相模湾に入ってきた回遊魚の動きにも変化があれば、従来とは別のルートで湾内を回遊する可能性もあるでしょう。そうなれば、従来の場所に固定したままの定置網では、漁獲量が減少することになります。漁船で魚を追いかけるのではなく、網を定置して魚を待つ漁法であれば、場所や向きの調整が重要と考えます。  しかしながら、定置網の設置位置は漁業権免許の内容の範囲に限られ、また、網を張り替えるためには多額の費用を要し、容易ではありません。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県沿岸漁業の基幹である定置網漁業の振興について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、観光産業の復興に向けた取組についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、観光産業は深刻な影響を受けております。  先日公表された神奈川県入込観光客調査結果によれば、令和2年に神奈川県を訪れた観光客の延べ人数は1億849万人で、対前年比で47%もの大幅な減少となりました。この数字は、半世紀前の昭和45年当時の水準であり、新型コロナウイルス感染症により、県内の観光産業が深刻な影響を受けたことを如実に示すものとなっております。  このように、令和2年は大変厳しい状況にありましたが、それでも、5月下旬に緊急事態宣言が解除され、7月下旬には、国のGo To トラベル事業も開始されたことで、一時的には明るい話題もありました。  一方で、今年の状況を見ますと、現在も緊急事態宣言下にあり、ゴールデンウイークや夏休みの観光需要も取り込めなかったことから、昨年以上にさらに厳しい状況に追い込まれていると考えられ、県としても、観光産業の復興に向けて、しっかりと取り組んでいく必要があります。  感染状況が改善した後には、県では、かながわ県民割などの観光需要喚起策を実施することで、観光産業を支援することとしています。  この「かながわ県民割」は、昨年実施した際には観光需要の喚起に大きな効果があり、私も高く評価しております。しかし、現在の感染状況を踏まえると、当面は、こうした施策を実施することは難しいと考えます。積極的な観光プロモーションを行うことができない現状において、まずは、今できることに着実に取り組み、将来に向けた準備をしておくことが重要であります。  国では、ワクチン・検査パッケージを活用した観光振興策を検討することとしており、県としても、今後の対応を検討する必要があると考えます。  また、観光庁の令和4年度概算要求を見ると、Go To トラベル事業のような大規模な観光需要喚起策は盛り込まれていないようですが、国に対して、県の取組を後押しする施策展開を求めていくことも必要であります。  そこで、知事にお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大により、積極的な観光プロモーションを行えない中、観光産業の復興に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、横断歩道利用者の安全確保についてお伺いいたします。  本年8月末現在、県内において交通事故で亡くなられた方は80人であり、このうち、20人が歩行中に亡くなられており、しかも、7人は横断歩道横断中に事故に遭っております。  そもそも交通ルールでは、横断歩道に歩行者がいれば、車は停止しなければなりませんが、町なかでは横断歩道に歩行者が待っていても、止まらない車を見かけることが多くあります。  こうした状況が、横断歩道を利用する方が事故に遭ってしまう原因の一つとなっていると考えます。  県警察においては、悲惨な交通事故を一件でも減らすため、歩行者事故の防止に対する様々な取組を実施していることは承知いたしております。  しかしながら、交通事故の被害から守られるべき横断歩道上で、いまだに交通事故が発生していることを鑑みると、横断歩道は歩行者優先といったルールを再度しっかりと周知させるなどの取組が必要であると考えます。  また、横断歩道上の交通事故を防止するためには、横断歩道の道路標示を適切に維持管理することも重要であると考えております。  私の地元である足柄下郡の見通しが悪い山間部や夜間に街路灯が少ない道路では、横断歩道が摩耗していると非常に見えにくく、早期に補修してほしいとの要望が絶えない状況であり、これは県内の多くの自治体でも同様であると思います。  そのため、県警察におかれましては、横断歩道に対する地域住民からの補修要望については迅速、真摯に対応していただき、歩行者の安全・安心を確保するために、歩行環境の整備に取り組んでいただきたいと考えております。  そこで、警察本部長にお伺いいたします。  横断歩道利用者の安全確保について、今後どのように取り組んでいくのか、警察本部長の見解をお伺いいたします。  以上で、第1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 高橋議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県政の諸課題についてお尋ねがありました。  まず、定置網漁業の振興についてです。  定置網漁業は、若い漁業者が多く就業し、沿岸漁業生産量の約7割を占める本県の基幹漁業です。そのため、定置網漁業の振興は、本県水産業の活性化を図る上で、極めて重要です。  これまで県は、定置網の改良や機械化による作業の省力化等への支援のほか、台風や黒潮の影響などによる定置網の破損被害を防止するため、技術指導や防災情報の提供を行ってきました。  また、大漁時には生けすに一時保管し、出荷調整することで、価格を安定させる取組などにも支援しています。  しかし、近年の気候変動に伴う海洋環境の変化の影響で、本県定置網で主に漁獲されるイワシやアジ、サバ等の生息域や回遊ルートが変わったことなどから、漁獲量はここ10年で半減しました。  そこで、定置網の漁獲量を回復させるためには、定置網の設置位置の変更など、海洋環境の変化に対応した対策が必要になります。  県は、漁業法に基づき、定置網の設置場所を5年ごとに設定しており、次の切替え時期である令和5年に向け、漁業者からの要望も把握した上で、定置網の設置場所を検討し、漁獲量の回復を目指します。  また、漁業者による新たな設置場所への網の張り替えや、漁船などの設備投資に対しては、融資を受ける際の利子補給や国の補助金の活用により支援していきます。さらに、近年激甚化している台風等による被害防止のため、定置網の改良などに取り組んでいきます。  県は、漁業を取り巻く環境の変化を踏まえ、基幹漁業である定置網漁業の振興にしっかりと取り組み、本県水産業の活性化を図ってまいります。  次に、観光産業の復興に向けた取組についてです。  新型コロナウイルス感染症の拡大により落ち込んだ地域経済を活性化させるためには、裾野の広い観光産業を復興させることは大変重要です。  そこで、県としては、かながわ県民割等の観光需要喚起策を実施することで、観光産業を支援したいと考えています。  なお、感染拡大防止と経済活動の両立の観点から、かながわ県民割の販売開始の時期や参加事業者の募集時期については、ワクチン・検査パッケージなど、行動制限の緩和に関する国の議論等を注視しつつ、感染状況に応じて検討します。  一方、積極的な観光プロモーションを実施できない現状においては、アフターコロナを見据え、今できることにしっかりと取り組むことが重要です。  まずは、富裕層向けの体験型コンテンツをはじめとする観光資源の発掘・磨き上げや、宿泊施設感染症対策等事業費補助金等を活用した観光客の受入れ環境整備について、着実に推進します。  また、今後の観光施策の検討に向けた基礎データとするため、市町村と連携して、スマートフォンの位置情報を活用した調査を新たに行います。コロナ前と現在を比較することで、観光客の動向の変化等を把握し、その結果を神奈川県観光魅力創造協議会等でも共有して、観光協会や民間事業者も含め、幅広く検討していきます。  こうした取組と併せて、国の施策が、観光産業の復興に向けた県の取組を後押しするものとなるよう、全国知事会等を通じて、引き続き国へ提案していきます。  コロナ禍で観光産業は厳しい状況にありますが、市町村等と連携して、アフターコロナにおける観光産業の復興に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(山本 仁)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山本警察本部長。 ◎警察本部長(山本仁) 横断歩道利用者の安全確保についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本県では、横断歩道を横断中の歩行者が負傷したり、命を落としたりする交通事故が後を絶たない状況にあります。  こうした情勢を踏まえ、県警察では、横断歩行者事故防止対策を交通死亡事故抑止総合対策における重点の一つとして、各種取組を推進しているところであります。  具体的には、横断歩道は歩行者優先であることについての広報啓発活動を推進するとともに、横断歩行者妨害に対する指導取締りを強化しております。  また、議員御指摘のとおり、横断歩道の標示が摩耗し、その視認性が著しく低下いたしますと、横断歩行者の安全が脅かされるおそれがあります。そうしたことから、横断歩道を適切に維持管理することは非常に重要であります。  そこで、県警察では、警察官や委託業者による摩耗状況の点検のほか、地域住民の方々からの御要望等を踏まえて、道路標示の補修を行うなど、横断歩道の適切な維持管理に取り組んでいるところであります。  県警察といたしましては、例年、交通死亡事故が増加する傾向にある年末に向け、引き続き横断歩道横断中における事故を防止するための交通安全教育や、横断歩行者妨害などに対する指導取締りを強力に推進してまいります。  また、横断歩道の補修につきましても、引き続き必要な予算の確保や効率的な予算執行に努め、適切に維持管理することにより、横断歩道利用者の安全確保に取り組んでまいります。  以上でございます。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、警察本部長、御答弁ありがとうございました。  1点、定置網漁業の振興について再質問をさせていただきます。  令和5年の定置網設置場所の変更を検討するに当たっては、漁業者の長年にわたる経験に加え、海の状況を確認する必要があると考えますが、そのための調査を行う予定はあるのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 再質問でありますが、定置網設置場所の検討のための調査については、専門性が高い内容でありますので、環境農政局長から答弁させます。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の再質問にお答えします。  定置網の設置場所の検討に当たりましては、県水産技術センターが、ソナーや水中ドローンを用いて周辺の海底地形を詳細に調査するとともに、潮流の向きや流れの速さの観測などを行います。  そうした調査・観測結果と定置網漁業者からの要望を基に、定置網の設置場所を検討してまいります。  答弁は以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、環境農政局長、御答弁ありがとうございました。  それでは、要望させていただきます。  まず、定置網漁業の振興についてです。  相模湾の定置網漁業は、江戸時代後期には既に行われていた大変歴史のある漁業であります。現在でも沿岸漁業生産量の7割を占める基幹漁業であり、本県水産業において、重要な漁業であることは間違いありません。  地球温暖化による漁場環境の変化や台風被害の激甚化など、定置網漁業を維持するための新たな課題に対し、県として真正面から向き合い、漁業者をサポートしていただきたいと思います。  また、今年から本格出荷にこぎ着けた真鶴のイワガキ養殖、磯焼け対策でもあるキャベツウニ養殖、さらには大規模外洋養殖の誘致や、クマエビなど新たな栽培漁業対象種の技術開発など、様々な漁業者が所得向上を目指す新たな取組に対しても、県として引き続き着実に支援していただくことを要望いたします。  また、我が会派の代表質問でも要望いたしましたが、組織の強化を図るよう、強く要望いたします。  次に、観光産業の復興に向けた取組についてです。  新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、観光産業に携わる皆様が少しでも希望を感じられるよう、県として今できることに最大限取り組んでいただいていると思います。  また、かながわ県民割などの観光需要喚起策については、ワクチン・検査パッケージに関する国の議論を注視し、という知事の御答弁でございました。ただ、これには予算を今年度中に使わなければいけないという、ひもつきと言うか、制限がございます。これらを国に要望し、来年度になっても使えるよう、ぜひ国に後押しをしていただくことをお願いしたいと存じます。  以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 質問の第2は、県西地域の活性化について、4点お伺いいたします。  〔資料提示〕  まず、真鶴町における過疎対策に対する県の対応についてお伺いいたします。  真鶴町は、平成29年4月に、過疎地域の法定要件である人口要件と財政力要件の両方を満たすこととなり、県内の市町村で初めて過疎地域として公示されました。  その後、令和3年4月に施行された、いわゆる第5次の過疎法の下で、真鶴町は過疎地域の要件を満たし、引き続き県内唯一の過疎地域として公示されました。  平成29年に初めて過疎地域となった際は、私も、真鶴町の町民の皆様も大きな衝撃を受けました。  しかし、当時の平成29年第3回定例会の一般質問で申し上げましたとおり、過疎法に規定する様々な特別措置を真鶴町が活用できるようになったことは、よかったと思います。  真鶴町では、こうした特別措置の一つである過疎債を活用することで、厳しい財政状況の中、廃棄物処理施設や町道の改修などが進んだと承知いたしております。また、県内初の養殖イワガキである鶴宝の出荷施設の整備に過疎債を活用することで、町の負担を大きく軽減できました。  今回、真鶴町が引き続き過疎地域として公示されたことを受けて、県では、現在、神奈川県過疎地域持続的発展方針を策定する手続を進めており、11月には国の同意を得て策定、公表する予定だと承知いたしております。  真鶴町では、今後、策定される県の方針に基づき、真鶴町過疎地域持続的発展計画を策定し、それに基づき、過疎債の発行などの特別措置を最大限に活用して、具体的な取組を進め、非過疎地域となることを目指すとしています。  過疎対策については、まずは、真鶴町自らが率先して取り組むことが必要ですが、県としても、県内唯一の過疎地域である真鶴町に寄り添って、的確に支援していくことが重要であります。また、その際、県西地域全体を視野に入れた広域的な観点も必要になると考えます。  そこで、知事にお伺いたします。  真鶴町の過疎対策の取組を、県として今後どのように支援していくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、県西地域における宿泊療養施設の設置についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の軽症・無症状者が療養する宿泊療養施設は、先月新たに3施設を設置して、政令指定都市が設置運営する施設を含めると、県内に11施設あり、受入れ可能室数は2,428室となりました。  こうした施設を着実に設置運営していくことは、県民の安全・安心につながり、大変重要なことです。  しかしながら、先月新たに設置した3施設は全て横浜市内にあり、県内11施設のうち、横浜市内に6施設、厚木市内に2施設、川崎、相模原、横須賀三浦地域に各1施設となっており、県西地域と湘南地域には宿泊療養施設は設置されておりません。  これまでの感染者数から、横浜エリアを中心に設置されていることは理解できますが、今回の第5波では、県西地域の感染者数も増えているところです。  例えば、小田原市では7月までの累計感染者が1,098人、8月1か月だけで879人、湯河原町では累計84人でしたが、8月1か月だけで100人の感染者が新たに発生しました。  県西地域は、厚木市内まで車で1時間以上かかる地域も多く、宿泊療養施設を利用しにくい状況であります。  一方で、先日の新聞報道によれば、県西地域で唯一、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れている小田原市立病院では、重症患者のうち、実に7割以上が横浜市や川崎市など、県東部から搬送されているとのことです。  つまり、県西地域は、他地域で受け止め切れない重症患者を受け入れる一方で、地元の軽症・無症状者は、厚木の宿泊療養施設まで長距離の移動を余儀なくさせられているのです。  こうした状況は、県西地域の住民にとって過度な負担となっており、横浜や川崎に比べれば絶対数は少ないものの、県西地域の感染者数も、残念ながら増加していることから、県西地域にも宿泊療養施設を新たに設置すべきと考えます。  そこで、知事にお伺いたします。  感染爆発期に全県域で新規感染者が増加していく中で、軽症や無症状の感染者の受皿となる宿泊療養施設について、県下の地域バランスも考慮し、県西地域にも新たに設置すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  次に、湯河原海岸における海岸保全施設の整備等についてお伺いいたします。  私の地元にある湯河原海岸は、相模湾を南東方向に望む、長さ約2キロメートルの海岸です。北側半分の吉浜地区は、砂浜が広がり、夏は海水浴場、年間を通じてサーフィンできる海岸として親しまれております。  一方、南側半分の門川地区は護岸され、ショッピングモールなどの商業施設や町立中学校、下水処理場、公園といった重要な公共施設が建ち並んでおります。過去には、高潮や台風などによる波浪などの影響を受け、浸水被害が度々発生しました。  そのため、県には、長年にわたり、養浜や護岸の整備、人工リーフの整備など、様々な対策を講じていただきました。  おかげさまで、一昨年の令和元年東日本台風の際には、県内では激しい風雨となり、県内各地で家屋被害が発生するなど、甚大な被害となりましたが、湯河原海岸では大きな被害は発生しませんでした。まさに、これまでの県の取組の成果であり、適切な対策を講じてくださいましたことに、県に対し、心より感謝を申し上げる次第であります。  門川地区の護岸については、高潮に対する高さが不十分な箇所が一部あることから、さらに護岸のかさ上げ工事が鋭意進められていることも承知いたしております。台風の大型化などにより、高潮被害が頻発することや激甚化することも懸念されており、高潮対策をさらに万全とするためにも、工事を早期に完成させる必要があると考えます。  しかし、万全に整備した施設でも、時間の経過とともに老朽化が進み、破損が発生したり、施設の機能自体が低下していくのではないかとの心配の声もあります。  これまでに湯河原海岸では、人工リーフが3基、延長で510メートル造られましたが、そのうち2基は、整備から約30年たっていることから、今後も機能を保つためには、適切な維持管理を行っていくことが重要であります。  そこで、県土整備局長にお伺いいたします。  湯河原海岸門川地区における護岸の整備と人工リーフの維持管理について、今後どのように取り組んでいくのか、県土整備局長の見解をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の最後は、芦ノ湖と早川の洪水対策についてお伺いいたします。  一度は訪れてみたい国、日本。日本を代表する富士山の景観、芦ノ湖、赤鳥居。言わずと知れた、神奈川県が誇る世界的観光地、箱根です。  本日は、箱根、芦ノ湖に関する歴史を振り返りながら、質問をさせていただきます。  箱根町では、一昨年の令和元年東日本台風で、全国のアメダスの観測値で史上第一位となる、日雨量922.5ミリを記録する豪雨に見舞われました。  また、昨年の7月や今年の7月にも、梅雨前線による豪雨に見舞われるなど、近年、箱根周辺では、毎年のように記録的な豪雨が発生し、芦ノ湖やその下流の早川の洪水対策強化が望まれております。  現在、県は、洪水対策として、昭和27年に建設された芦ノ湖と早川をつなぐ湖尻水門を操作し、洪水調節を行っていますが、その開門操作方法は静岡県芦湖水利組合と協議の上、定められており、早川への放流は、水害が生じる可能性がある場合のみに限られ、通常、湖尻水門は閉ざされております。  この水門操作には、静岡県と神奈川県の間で、芦ノ湖をめぐる様々な歴史的経緯が関係しています。  遡ること、江戸時代、小田原藩が深良用水を整備し、現在の裾野市近郊において、芦ノ湖の水を利用して新田開発を行いました。明治の廃藩置県により、小田原藩が神奈川県と静岡県に分かれた後、現在も、芦ノ湖の水は静岡県側でのみ、利用され続けております。古くから、器は神奈川、水は静岡と言われております。  過去より、水をめぐる紛争は度々発生しており、明治29年には、神奈川県側の村民が早川に水を流そうと、芦ノ湖の水をせき止めている施設を破壊する、実力による紛争が発生し、当時の大審院による裁判により解決が図られました。いわゆる甲羅伏せ事件でした。  芦ノ湖の水利をめぐっては、現在も研究が行われており、様々な意見や主張を耳にいたします。  さて、時は進み、平成2年。県は、昭和27年に建設され老朽化した湖尻水門を改築するとともに、50年に一度の豪雨にも対応できるよう、水利組合等関係機関との協議の上、平常時の芦ノ湖水位の上限を、深良用水にある深良水門の敷高、水門の湖底から2.3メートルとし、この水位を超えた場合に、湖尻水門を開けて早川に放流することなどを操作規則に定め、これに基づき県が操作を行うこととしました。  しかし、平成17年と19年には、台風により早川が氾濫したことから、県は関係者と調整を重ね、台風の降雨により水害のおそれがある場合には、操作時の水位が2.3メートル以下でも、湖尻水門を開けて放流し、事前に水位を下げられるように取り決めるなど、その後も継続して洪水対策の強化に努めてきたことは承知いたしております。  ただ、残念なことに、昨今は、台風のみならず、線状降水帯などによる豪雨も頻発しており、今後は常時、芦ノ湖の水位をできるだけ下げておくことが望ましいと考えます。  東日本台風後、芦ノ湖の常時満水位や事前放流のやり方の再検討などについて、箱根町から、芦ノ湖の水位の弾力的運用による町民の安全確保に関する要望があったと承知いたしております。  そして、芦ノ湖の水を安全に放流するためには、早川の洪水対策も同時に進める必要があると考えます。東日本台風で被災した施設の復旧を迅速に進めていただいたことには大変感謝いたしておりますが、今後は、堆積した土石の撤去を含め、早川の洪水対策にも積極的に取り組んでいただきたいと強く思います。  芦ノ湖の歴史的経緯を考慮すると、洪水対策の強化に当たっては、水利組合や湖面利用者などの関係者に対して、丁寧な対応が必要であることは十分理解しますが、それにより本県の洪水対策が遅れてしまうことは許されません。  県は積極的に関係者と協議を行い、急激に降雨量が増加してしまう気象現象に対し、芦ノ湖と早川の洪水対策をさらに進めていく必要があります。  そこで、知事にお伺いいたします。  芦ノ湖と早川における洪水対策について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 県西地域の活性化について、何点かお尋ねがありました。  まず、真鶴町における過疎対策に対する県の対応についてです。  真鶴町は、平成29年4月に過疎地域として公示され、当時の過疎法に基づき、県が策定した方針の下、過疎債等の特別措置を活用して生活環境の整備などを着実に進めてきました。  しかし、町の人口は平成29年の7,144人から令和3年には6,710人と、依然として減少傾向にあり、財政的にも厳しい状況となっています。  本年4月に改めて過疎地域の公示を受けたことから、真鶴町は今後、産業の振興、移住・定住の促進などに重点を置き、地域の活力を向上させていく意向であると承知しています。  そこで、県は、町が過疎対策を円滑に実施できるよう、過疎法に基づく新たな県方針を速やかに策定します。また、過疎対策の財源となる過疎債など、様々な特別措置を活用するために必要な助言を行います。  さらに、町の重点施策である移住・定住の促進を後押しします。例えば、真鶴の海はダイビングスポットとして有名であり、フリーダイビング世界選手権の金メダリストである岡本美鈴さんが活動拠点として長期滞在されるなど、多くのダイバーたちを引きつけています。  こうした真鶴ならではの海の魅力を県のウェブサイトなどで発信し、ダイビングの聖地としてブランド化を図ることで、移住・定住につなげていきます。  あわせて、真鶴町の過疎対策が十分に効果を発揮するには、県西地域全体の活性化も重要なことから、各市町の特徴や得意分野を組み合わせ、地域全体で利用者を受け入れる広域ワーケーションなどを推進します。  こうした取組を通じて、真鶴町の人口減少に歯止めをかけ、財政状況を改善させることで、一日も早く非過疎地域となることを目指してまいります。  次に、県西地域における宿泊療養施設の設置についてです。  本県では、昨年4月から全国に先駆けて、新型コロナウイルス感染症の軽症・無症状者を受け入れる宿泊療養施設を運営してきました。  宿泊療養施設の開設に当たっては、まず、当該地域における新規感染者数や急変時に備えた搬送、医療提供体制を考慮した上で、その施設がゾーニングなど、感染防止対策が可能であることが必要です。加えて、運営面でも、必要なスタッフや看護師等の人員確保も重要な要件となります。  これまで、こうしたことを念頭に置き、横浜市、川崎市や県央地域等において、宿泊療養施設を順次開設してきました。今回の第5波では、全県的な感染爆発となったため、宿泊療養施設の開設場所についても、地域バランスでの配慮が必要となってきました。  宿泊療養施設の運営には、地元市町村の救急搬送や、住民の合意形成への協力が不可欠ですが、県西地域における宿泊療養施設の設置については、小田原市からも強い要望を受けています。  そこで、今後、宿泊療養施設を新たに開設する場合には、県西地域も候補に含め、その立地を検討していきます。  今後とも、感染者が安心して療養できる環境を整えていけるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  最後に、芦ノ湖と早川の洪水対策についてです。  県は、芦ノ湖からの流出口にある湖尻水門を用いて、早川への放流量を調節することで、早川の氾濫や芦ノ湖の浸水被害の防止、軽減を図っています。  芦ノ湖の水利権は、古くから、湖の水を水田等に利用してきた静岡県芦湖水利組合が持っていることから、湖尻水門からの放流は、芦ノ湖の浸水を防ぐために、昭和62年に水利組合が合意した水位を超えた場合に行ってきました。  その後、早川では台風による被害が相次いだため、その都度、水利組合と調整を行い、その結果、現在では、台風が接近する前に湖水を放流して水位を低下させる事前放流も導入しています。  しかし、近年は、全国各地で台風以外の大雨も発生するようになり、芦ノ湖でも昨年と今年に豪雨があり、水位が大きく上昇したため、住民や観光に携わる方々から、水害への不安の声が上がっています。  そこで、県は、昨年度から、水利組合の窓口である静岡県裾野市や地元の箱根町と協議を行う場として、芦の湖浸水被害対策連絡会議を設け、事前放流のより柔軟な運用等について調整を行っています。  今後の取組ですが、芦ノ湖については、連絡会議において、水利組合の方々に近年の豪雨による災害の発生状況を説明し、御理解いただいた上で、具体にどのような降雨であれば事前放流を行うことができるのか、精力的に協議を進めていきます。  また、早川については、放流によって増える水を安全に流せるよう、改修が進んでいない上流域を中心に、堆積した土石の撤去などの対策を加速します。  今後も引き続き、県は芦ノ湖と早川の洪水対策にしっかりと取り組み、住民の方々の安全と安心を確保してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔県土整備局長(大島伸生)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 大島県土整備局長。 ◎県土整備局長(大島伸生) 県土整備局関係の御質問にお答えします。  湯河原海岸における海岸保全施設の整備等についてお尋ねがありました。  相模湾沿岸は多くの人口を抱え、都市化が進んでいる地域が多く、一たび高潮や津波が発生すると、被害が甚大になるおそれがあるため、海岸保全施設を整備し、背後地を守ってきました。  県では、海岸の保全や整備の基本的な考え方等を定めた相模灘沿岸海岸保全基本計画に基づき、海岸ごとに施設整備を進めています。この中で、湯河原海岸門川地区は、通常の護岸に加え、海中に造成した岩礁である人工リーフを組み合わせることで、効果的に波浪を抑制する計画としています。  まず、護岸の整備についてですが、この地区では、沿岸に公園などの公共施設や大規模な商業施設が立地しており、地元からは早期の整備を要望されていました。  整備に当たっては、護岸の高さを上げることによって、公園から海が見えなくなるといった声もあったため、公園を管理する湯河原町と見晴らし台を設置する調整を行い、今年度末には護岸等の整備が完成する運びです。  次に、人工リーフの維持管理についてです。  人工リーフは、平成5年と6年に1基ずつ完成し、その後、北側に商業施設が立地したため、平成24年に3基目を整備しました。  そのうち、先行して設置した2基の人工リーフは、度重なる波浪により、コンクリートブロックの一部に移動が見られますが、機能に影響はないことから、現在は毎年、測量しながら経過観察を行っているところです。  今後、大きな波浪が来襲し、ブロックがさらに移動し、機能が低下した際には、直ちに修復を行います。  県はこうした取組により、引き続き湯河原海岸門川地区の安全確保を図ってまいります。  答弁は以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、県土整備局長、御答弁ありがとうございました。  1点、再質問させていただきます。  真鶴町における過疎対策に対する県の対応について再質問をさせていただきます。  真鶴町が非過疎地域となるためには、働く世代の移住・定住が有効であり、既に意欲ある民間事業者と町が連携し、取組が進められていると承知いたしておりますが、このような取組をより効果的なものとするため、県としてどのように後押ししていくのか、知事の見解をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  真鶴町は民間事業者と連携して、平成28年度から、お試し居住とか、サテライトオフィスのさらなる誘致などを進めています。  例えば、私も以前、視察したのですけれども、真鶴テックラボでは、3Dプリンターなどを備えたものづくりができるコワーキングスペースとして、町に移住してきた方々が新しい事業に、そこで取り組んでおられました。  町では、県に対して、こうした取組を県内外に広くアピールすることや、さらなる充実につながる情報提供などを期待しています。  そこで、県は新たに作成する移住のウェブサイトなどを通じて、町のこういった取組を広く発信していきたいと考えております。  また、他の市町村の取組の参考とできるよう、真鶴町が他の市町村や民間事業者との間で取組事例の情報共有や意見交換する場、機会などを設けてまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔高橋延幸議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋延幸君。  〔高橋延幸議員登壇〕 ◆高橋延幸議員 知事、御答弁ありがとうございました。  それでは、時間の許される範囲で要望をさせていただきたいと思います。  まず、真鶴町における過疎対策に対する県の対応についてです。  過疎対策については、真鶴町がまず率先して取り組むことが重要であると承知いたしておりますが、県としても、県内唯一の過疎地域である町に寄り添って、しっかりと支援していただくよう要望いたします。  また、あわせて、移住・定住の促進は、過疎解消に向けた重要な取組ですので、着実な支援を要望いたします。  次に、県西地域における宿泊療養施設の設置についてです。  知事から御答弁頂きました。先日、実は守屋小田原市長と宿泊療養施設の設置について、お話をする機会がありました。  小田原市はワクチンの不足により、接種率が思うように伸びない現状を危惧しておられ、そして、県へも宿泊療養施設の設置に関して強く要望されているとおっしゃっておられました。  新型コロナウイルス感染症対策の神奈川モデルにおいて、県西地域では、小田原市立病院が、県東部の多くの患者を温かく受け入れるなど、地域の医療資源が少ない中にあっても、多大な貢献を行っております。こうした県西地域の貢献度を十分に考慮していただき、県西地域における宿泊療養施設の設置に向け、ぜひ積極的に御検討を進めていただき、一日も早く設置していただけるよう要望いたします。  県土整備局長から御答弁頂きました湯河原海岸に関して。  ウッドデッキ、とても評判がいいです。ありがとうございました。維持管理については、さらにお進めいただけることをお願い申し上げます。  最後に、芦ノ湖と早川の洪水対策についてです。  芦ノ湖については、長い歴史に根差した様々な経緯があり、さらに関係者が他県にまたがっているため、慎重な扱いが必要なことは十分承知いたしております。  しかし、洪水対策は、神奈川県民の生命・財産に関わることであり、何よりも優先して進めていく必要があります。芦ノ湖の平常時水位を下げることは、洪水対策に有効である反面、水の利権を有する裾野市や湖面を利用している関係者が敏感になることは理解できます。  しかし、地元では、近年、幾度も記録的な豪雨に見舞われており、洪水対策の重要性がますます高まっております。特に、台風のみならず、線状降水帯による突発的な異常な豪雨により、大きな被害が全国で発生している現状を鑑みると、現在、台風による降雨時に限られている水門操作を、台風以外の降雨時にも実施できるよう改める必要があると考えます。  線状降水帯やゲリラ豪雨など、昭和の時代にはなかった気象状況を考慮し、県は関係者と十分協議し、季節ごとの平常時水位の変更や、水門操作の要件などの洪水対策強化に取り組むことを要望いたします。  また、下流の早川の洪水対策を着実に進め、放流にも耐え得る早川を具現化することで、芦ノ湖関係者に、県の洪水対策に対する本気の姿勢が伝わると思いますので、こちらも着実に進めていただきますようお願い申し上げます。  今回の質問は、洪水対策についてであります。決して、水の使用についての指摘ではなく、住民の皆様の声をお届けさせていただきました。  県として、静岡県裾野市の300年以上も続いた既得権を守ることも大切でしょう。しかし、最優先することは、県民の生命と財産であると思います、地域の声を真摯に受け止めていただき、関係各位の皆様に丁寧に説明をし、地域の実情を御理解いただけるよう、お願い申し上げます。  この質問を作成するに当たり、多くの先輩、多くの諸議員、担当議員であった方々のお知恵を拝借し、お話を聞かせていただきました。これが箱根の地域の声でございます。  残念なことに、江戸時代、小田原藩であった、1県が同じだったものが廃藩置県により分かれ、当時は友情的な給水であったものが、今は利権を有し、そして地域の思いが込められている。これを今の時代にまとめるのは大変な御苦労かと存じますが、切実なる地域の声をぜひ御理解いただき、お話を進めていただくことを私から要望を申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  御清聴、誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、9月27日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後5時 散会...